動物行動学実験に基づいた甘味ブレンド効果の客観的評価

タイトル 動物行動学実験に基づいた甘味ブレンド効果の客観的評価
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所
研究期間 2011~2014
研究担当者 河合崇行
発行年度 2014
要約 ヒトと味感覚が近いマウスの食行動を指標に甘さを評価・数値化するリック試験を用いて、甘味物質をブレンドした時の甘さの感覚強度を解析する。早く知覚される甘味物質と遅く知覚される甘味物質を組み合わせた時に、甘さが強くなる現象も捉えられる。
キーワード 甘味、人工甘味料、ブレンド効果、リック試験、客観的評価
背景・ねらい 食経験や遺伝的背景の違いによる個人差はヒト官能試験における最大の問題である。これらを解決するためには、比較的ヒトと味の感覚が近い研究用マウスの利用が効果的である。リック試験は舌上での受容体反応だけでなく、錯覚などの脳内処理の関与を含んだ"甘さ" (=甘味の感覚強度)を客観的に数値化できる評価法である。甘味料ブレンドによる"甘さ"の変化について調べ、効果的なブレンド方法を提案する。
成果の内容・特徴
  1. リック試験(lick test)では、10秒間にマウスがサンプル溶液を舐める回数を指標に味の強さを評価する手法である(図1)。甘味物質をブレンドした際の"甘さ"の強度を調べると、変化が現れない組み合わせ(図2上)と、"甘さ"の増強効果が観察される組み合わせ(図2下)が存在する。
  2. 種々の甘味物質をブレンドしたときの"甘さ"の強度変化を図3に示す。サッカリンNaとアセスルファムKのブレンド、スクラロースとスクロースのブレンドでは変化が見られないが、それ以外の組み合わせでは"甘さ"の増強が認められる。
  3. 甘味物質には、口に入れてすぐに甘味を知覚できるものと、しばらくしてから甘味を知覚するものがある。早く甘味を知覚されるサッカリンNaまたはアセスルファムKと遅く知覚されるスクラロースを組み合わせたときの増強効果は大きい。
  4. リック試験から得られた甘味物質の組み合わせによる"甘さ"の増強効果の解析結果から、甘味物質を3つのグループに分類することができる(図4)。同じグループ内に属する甘味物質を組み合わせても"甘さ"に変化は起こらないが、異なるグループ間の甘味物質を組み合わせると"甘さ"の増強が起こる。これらの現象は、"甘さ"を感じる早さとも相関しており、甘味受容体の実験系では説明できないことから、受容体ではなく脳内処理に起因している可能性がある。
成果の活用面・留意点
  1. マウスを用いたリック試験により、甘味料のブレンド効果を簡易に評価できる。
  2. 甘味料のブレンド効果の実用に際しては、ヒトによる官能試験が必須である。
  3. 甘味料のブレンドによって"甘さ"を強く感じさせることができることから、甘味料の総使用量を減らすことが可能となる。
  4. 甘味以外の味に関しても、味を感じる時間に差がある物質を組み合わせて増強効果を引き出せる可能性がある。
図表1 237193-1.jpg
図表2 237193-2.jpg
図表3 237193-3.jpg
図表4 237193-4.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nfri/2014/nfri14_s10.html
カテゴリ 評価法

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