くず大豆および大豆ホールクロップサイレージは発酵TMR原料として有用である

タイトル くず大豆および大豆ホールクロップサイレージは発酵TMR原料として有用である
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター
研究期間 2008~2014
研究担当者 嶝野英子
齋藤浩和
越川志津
魚住 順
河本英憲
内野 宙
出口新
発行年度 2014
要約 くず大豆および黄葉中期に調製した大豆ホールクロップサイレージを、大豆粕等の輸入タンパク質飼料の代替として用いた発酵TMRは、泌乳牛に給与しても産乳性は代替前と変わらない。また飼料中の植物性エストロゲン含量にも変化はみられない。
キーワード くず大豆、大豆ホールクロップサイレージ、発酵TMR、産乳性
背景・ねらい 輸入飼料の価格は高止まりしており、自給率向上が酪農家経営安定化のための重要な課題となっている。大豆粕等に代表される高タンパク質飼料は、乳牛飼養に不可欠な飼料として広く利用されているが、自給率がきわめて低い飼料のひとつである。そこで、肥料等として安価に流通している国産のくず大豆や、今後自給飼料として有望な大豆ホールクロップサイレージを、新たなタンパク源とした発酵TMRの泌乳牛用飼料としての価値を評価する。
成果の内容・特徴
  1. くず大豆で大豆粕由来タンパク質中の10~30%を代替した発酵TMRを泌乳牛に給与しても乳量、乳成分、乾物摂取量に影響はない(表1、表2)。
  2. くず大豆で大豆粕由来タンパク質中の30%を代替すると、発酵TMRの飼料自給率はTDNベースで60%から63%に向上するが(表1)、繁殖性に影響するとされる飼料中の植物性エストロゲン含量は代替前と変わらない(図1)。
  3. 黄葉中期に調製した大豆WCSを飼料乾物中10~20%混合した発酵TMRを乳牛に給与しても乳量、乳成分、乾物摂取量に影響はない(表1、表2)。
  4. 黄葉中期に調製した大豆WCSを飼料乾物中20%混合すると、発酵TMRの飼料自給率はTDNベースで54%から65%に向上するが(表1)、繁殖性に影響するとされる飼料中の植物性エストロゲン含量は代替前と変わらない(図1)。
  5. くず大豆および黄葉中期に調製した大豆WCSは飼料自給率の高い発酵TMRの原料として有用である。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:地域TMRセンター・乳牛飼養農家
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:関東地域北部~東北地域
  3. その他:大豆WCSの栽培・調製方法については「若刈牧草とホールクロップサイレージ大豆の連続栽培による高タンパク質飼料生産」(農研機構2014年普及成果情報)を参照されたい。
図表1 237247-1.jpg
図表2 237247-2.jpg
図表3 237247-3.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/tarc/2014/14_017.html
カテゴリ 肥料 経営管理 大豆 大豆粕 乳牛 繁殖性改善

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる