農耕地を対象とした外来雑草早期警戒システム

タイトル 農耕地を対象とした外来雑草早期警戒システム
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター
研究期間 2011~2015
研究担当者 黒川俊二
中谷敬子
澁谷知子
渡邊寛明
浅井元朗
今泉智通
小林浩幸
発行年度 2015
要約 農耕地における外来雑草を早期警戒するために、外来雑草を「未侵入」「侵入初期」「まん延」の3段階の侵入段階に対応した情報に基づいて評価し、それぞれ「侵入防止」「分布拡大防止」「被害の軽減」の対策優先種を決定するためのシステムである。
キーワード 外来雑草、警戒情報、雑草リスク評価、防除優先順位
背景・ねらい 近年外来雑草が農耕地にまん延し深刻な被害をもたらしている。これまで、広域にわたって甚大な被害がもたらされる「まん延」段階に至るまで対策が取られることがなかった。しかし、一旦侵入すると防除が難しい外来雑草対策では、より早期に対策を行うことが重要であり、早期警戒システムの構築が急務である。そこで、本研究では、農耕地を対象とした外来雑草対策の優先度を決定するための評価手法を開発し、それに基づいた外来雑草早期警戒システムを確立する。
成果の内容・特徴
  1. 本システムでは、まず雑草性評価と防除可能性に基づいた耕地版雑草リスク評価(WRA; Weed Risk Assessment)を用いて、雑草リスクを評価する。また、被害面積に応じて「未侵入」「侵入初期」「まん延」の侵入段階を評価する(図1)。
  2. さらに、「WRA値」「防除優先順位指標値」「被害面積」(図1)を用いて、それぞれ「侵入防止(図2)」「分布拡大防止(図3)」「被害の軽減」の対策優先種を決定することができる。
  3. 外来雑草対策では、予防原則に基づいて未侵入種の侵入防止を最優先する。未侵入で雑草リスクが高いと判断された種については、警戒パンフレット等を配布するなどして早期発見に努め、侵入防止を図る(図2)。
  4. すでに圃場内に侵入している種については、雑草リスクが高く、より侵入初期段階の種の対策を優先する。対策の目的は分布拡大防止であり、優先順位が高い種が侵入している地域では、県単位での対策チームや集落スケールでの活動組織などを立ち上げ、地域全体で順応的管理を行う(図3)。
  5. すでにまん延段階まで進んでしまったと考えられる被害面積が大きい種については、それ以上の被害拡大を防止するとともに、侵入圃場における被害軽減技術開発を推進する。
  6. 一例として大豆畑における早期警戒情報を日本雑草学会雑草情報共有システム研究会のウェブサイトで発信している。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:都道府県行政機関、普及センター、生産者、農業者育成機関等
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:全国
  3. その他:公開サイト
図表1 237360-1.jpg
図表2 237360-2.jpg
図表3 237360-3.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/narc/2015/15_048.html
カテゴリ 病害虫 雑草 大豆 防除

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