玄米はとう精と炊飯調理によって放射性セシウム濃度が低減

タイトル 玄米はとう精と炊飯調理によって放射性セシウム濃度が低減
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所
研究期間 2013~2015
研究担当者 八戸真弓
濱松潮香
奥西智哉
発行年度 2015
要約 玄米をとう精・炊飯調理する過程において、糠および洗米水として放射性セシウムが除去される。精白米の場合、とう精・炊飯調理後の炊飯米の放射性セシウム濃度は玄米の濃度の約1/8となる。
キーワード 放射性セシウム、玄米、とう精、炊飯、加工係数
背景・ねらい 一般食品に含まれる放射性セシウム濃度の基準値(134Cs濃度と137Cs濃度の合算値)は、食品衛生法で100 Bq/kgと規定されているが、正確なリスク評価・管理のためには、その加工・調理過程における放射性セシウムの動態も把握する必要がある。米はわが国の主食であり、食品としての摂取量が最も多い品目であることから、玄米のとう精と炊飯調理での放射性セシウムの動態を明らかにし、科学的データを行政や食品産業、及びおよび消費者に提供することにより、食品への放射能影響に関する正しい理解促進に役立てる。
成果の内容・特徴
  1. 玄米は2011年産コシヒカリを用いている。
  2. とう精による精米の加工係数【とう精後の精米の放射性セシウム濃度(Bq/kg、新鮮重)/ 玄米の放射性セシウム濃度(Bq/kg、新鮮重)】は、糠の除去割合が大きいほど低下する。除去割合が最も大きい10分づき米(精白米)の加工係数は0.47となり、放射性セシウム濃度は玄米の約1/2の濃度に低下する(表1)。
  3. 炊飯調理による炊飯米の加工係数【炊飯後の放射性セシウム濃度(Bq/kg、新鮮重)/ 炊飯前の放射性セシウム濃度(Bq/kg、新鮮重)】は、玄米が0.43、3分~10分づき米は0.25~0.26となり、炊飯調理により放射性セシウム濃度は、玄米の場合は約1/2、3分~10分づき米の場合は約1/4に低下する(表2)。
  4. 玄米から炊飯米まで加工・調理過程において、玄米に含まれる放射性セシウムは糠および洗米水として除去される。10分づき米(精白米)の場合、玄米から糠に約60 %、洗米水に約10 %が分配されている(図1)。なお、等量の脱イオン水での精白米の洗米では、最初の2回で約8割、3回目までに約9割の放射性セシウムが米から除去される。
  5. 玄米から炊飯米までを通した加工・調理過程における放射性セシウムの加工係数【炊飯米の放射性セシウム濃度(Bq/kg、新鮮重)/ 玄米の放射性セシウム濃度(Bq/kg、新鮮重)】は、糠の除去割合が大きいほど低下する傾向にあり、最も加工係数が高い玄米が約1/2、最も低い10分づき米が約1/8となる(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:食品中の放射性物質についてのリスク管理や理解促進を行う行政部局及び食品流通・加工業者、食品中の放射性物質について関心のある消費者。
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:国内外の米を喫食する地域。
  3. その他:とう精での各分づきにおける糠の除去割合や、炊飯調理での洗米方法、加水量は製造者によって異なることから、この加工係数の数値には幅があることに留意する。 本成果は、農林水産省「新たに優先的なリスク管理の対象とすることを検討中の危害要因のリスクプロファイル案等(平成27年9月14日)」の放射性セシウム欄に引用されている。
図表1 237393-1.jpg
図表2 237393-2.jpg
図表3 237393-3.jpg
図表4 237393-4.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nfri/2015/15_096.html
カテゴリ 加工

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