カラムナータイプのリンゴを正確に選抜できるDNAマーカーの開発

タイトル カラムナータイプのリンゴを正確に選抜できるDNAマーカーの開発
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 果樹茶業研究部門
研究期間 2012~2016
研究担当者 岡田和馬
和田雅人
森谷茂樹
片寄裕一
藤澤弘子
呉健忠
金森裕之
栗田加奈子
佐々木晴美
藤井浩
寺上伸吾
岩波宏
山本俊哉
阿部和幸
発行年度 2016
要約 リンゴのカラムナー性の原因と考えられる挿入変異周辺のゲノム配列から設計した3種類のプライマーを用いたPCRにより、カラムナータイプのリンゴを正確かつ簡便に選抜できる。
キーワード リンゴ、樹形、カラムナー、DNAマーカー、突然変異
背景・ねらい リンゴ品種「McIntosh」の突然変異体として発見された「Wijcik」は、普通の栽培品種に比べて節間が短く、側枝の発生が少ないため、細長い円柱状の樹形に生長する。これらの性質はカラムナー性と呼ばれ、樹形が単純でコンパクトになるため、収穫やせん定などの作業を省力化できると期待されている。本研究では、省力的なリンゴ生産への応用に向けて、カラムナー性を引き起こした突然変異を同定し、そのゲノム構造の違いに基づいてカラムナータイプのリンゴを早期選抜できる判別精度の高いDNAマーカーを開発する。
成果の内容・特徴
  1. カラムナー性の原因遺伝子(カラムナー遺伝子)は、第10連鎖群の101kbの領域(リンゴ公開ゲノム配列の18775-18876kb)に座乗する。
  2. カラムナー遺伝子の座乗領域には、突然変異の原因と考えられる8.2 kbのLTRレトロポゾンが挿入されている。
  3. 挿入変異の約16kb下流に位置し、「Wijcik」で特異的に発現するジオキシゲナーゼ遺伝子がカラムナー遺伝子の有力な候補である。
  4. このジオキシゲナーゼ遺伝子を過剰発現させた形質転換タバコ(図1)及びリンゴ(図省略)は、草丈と節間が短くなる。
  5. 8.2 kbの挿入配列周辺に設計した3種類のプライマーNormal-F、Normal-RとColumnar-R(図2)を用いたPCRにより、カラムナータイプのリンゴに特異的な128 bpの断片を増幅できる(図3)。128 bpの断片の有無に基づいて、幼苗段階でカラムナータイプのリンゴを正確に早期選抜できる。また、3種類のプライマーを用いたPCRにより増幅される約250 bpの断片は、PCRが成功したかどうかを確かめるポジティブコントロールとして利用できる。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:リンゴ育種を行う国公立試験研究機関、大学法人
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:3種類のプライマーを用いたPCRにより増幅される128 bpの断片は、アガロースゲル電気泳動で簡便に検出できる。シーケンサーを保有していない研究室でも利用可能なDNAマーカーであるため、国内外の幅広い育種現場へ普及が期待される。
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/nifts/2016/16_029.html
カテゴリ 育種 省力化 たばこ DNAマーカー 品種 りんご

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