タイトル |
原発事故避難地域での営農再開に向けた牛舎・パドック清掃の手引き |
担当機関 |
(国研)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産研究部門 |
研究期間 |
2015 |
研究担当者 |
栂村恭子
天羽弘一
早坂貴代史
渋谷岳
小島陽一郎
進藤和政
平野清
小田康典
田中道也
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発行年度 |
2016 |
要約 |
避難指示解除後に畜産再開予定の畜産農家を対象に、牛舎とパドックに関する放射性物質対策を、調査研究をもとにまとめた手引きである。清掃時における注意点や手順、手引作成のもとになった調査事例データからなる。
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キーワード |
原発事故、避難指示解除準備区域、営農再開、牛舎、パドック
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背景・ねらい |
東京電力福島第一原子力発電所の事故により、避難を余儀なくされていた避難指示解除準備区域において除染が進み、順次、避難指示が解除されている。これらの地域で、畜産経営の再開をめざす農家にとって、放射性物質に対する不安は大きいにもかかわらず、牛舎やパドック(屋外運動場)の環境整備方法について参考となる指針がなかった。そこで、放射能に汚染された地域における牛舎やパドックの放射性物質汚染の清掃に係わる調査研究を実施し、そのデータに基づき手引を作成し、畜産再開に貢献する。
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成果の内容・特徴 |
- 避難指示解除準備区域内の牛舎における、ガンマカメラ撮影、表面拭取調査、ホットスポットサーチによる汚染箇所の特定では、直接沈着を受けていない牛舎の屋内は、外部に比べて汚染は著しく低いものの、雨漏りした箇所や雨水が集まって流れた箇所、落ち葉や土砂が堆積している箇所は、その他の牛舎内エリアより空間線量率が高い傾向にある(図1)。
- これらの箇所の堆積物には、屋根から落下したコケ、土ほこり、落ち葉等があり、放射性セシウム(RCs)濃度は非常に高い濃度のものが認められたことから、確実な除去が必要である。柵や柱に付着したほこりや錆にも、高濃度のRCsが含まれる場合があり、牛が舐める可能性のある柵や柱は特に丁寧な清掃が必要である(表1)。
- 牛舎の清掃により空間線量率が低下し(図1)、表面拭取調査においても放射性物質は検出されなくなるが、外から牛舎内に吹き込む土ほこり、落ち葉にはRCsが含まれており、継続的な清掃が必要である。
- 表土(RCs濃度:約2700Bq/kg)を15cm以上除去し、RCsを含まない土を客土したパドックでは、乳牛を放し飼いしている間の表面土壌のRCsの上昇はごくわずかである(図2)。また、放し飼いした乳牛から生産された牛乳のRCs濃度は検出限界以下である。
- これらの調査データをもとに福島県農業総合センター畜産研究所とともに作成した「営農再開に向けた牛舎・パドック(屋外運動場)清掃のポイント」は、農研機構のWEBサイトでダウンロード可能である。
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成果の活用面・留意点 |
- 普及対象: 行政、普及機関、肉用牛農家、酪農家
- 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等: 福島県内の避難指示が解除された地域および避難指示解除準備区域
- その他: 手引きは、楢葉町、飯舘村、川俣町などの営農再開する牛舎においてすでに活用されている。調査研究は農林水産省委託プロジェクト「農地等の放射性物質の除去・低減技術の開発(畜産再開に向けた牧草生産技術等の開発)」により実施された。
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研究内容 |
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/nilgs/2016/16_056.html
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カテゴリ |
経営管理
除染技術
肉牛
乳牛
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