タイトル |
いもち病に強く耐倒伏性に優れる多収良食味水稲新品種候補系統「奥羽424号」 |
担当機関 |
(国研)農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター |
研究期間 |
2008~2016 |
研究担当者 |
太田久稔
山口誠之
福嶌陽
横上晴郁
津田直人
梶亮太
中込弘二
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発行年度 |
2016 |
要約 |
「奥羽424号」は、寒冷地中部では"やや早"熟期に属する粳種である。いもち病圃場抵抗性は、葉いもち、穂いもちともに"かなり強"である。耐倒伏性は強く、多収で、良食味である。
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キーワード |
イネ、多収、いもち病圃場抵抗性、良食味
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背景・ねらい |
全国農業協同組合連合会(JA全農)では、需要が伸びている業務用米の取り組みを進めているが、低価格米を提供して単位面積当たりの粗収益を確保するには多収品種が必要である。また、栽培コストの削減、栽培の省力化に対応するために、いもち病に強く直播栽培に適した品種の要望も高まっている。そこで、JA全農と共同研究を行い、いもち病に強く、耐倒伏性に優れ、多収で良食味の特性を有する水稲品種を育成する。
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成果の内容・特徴 |
- 「奥羽424号」は、2008年に、いもち病に強く、多収・良食味の「奥羽400号」を母とし、多収・良質の「羽系1293」を父とする交配組合せから育成された粳系統である。
- 育成地における出穂期、成熟期は「あきたこまち」よりやや遅く、「ひとめぼれ」よりやや早い、"やや早"に属する(表1)。
- 稈長は「あきたこまち」、「ひとめぼれ」より短く、穂長は「あきたこまち」よりやや長く「ひとめぼれ」並で、穂数はやや少ない(表1)。草型は"偏穂重型"である。
- 耐倒伏性は"強"で、「あきたこまち」、「ひとめぼれ」より明らかに強く、多肥栽培では「ふくひびき」よりやや倒伏が少ない(表1)。
- いもち病真性抵抗性遺伝子は"Pia,Pii"と推定され、葉いもち圃場抵抗性は"かなり強"、穂いもち圃場抵抗性は"かなり強"である(表1)。
- 障害型耐冷性は"やや強"である。高温耐性は"やや弱"である。穂発芽性は"やや易"である(表1)。
- 標肥移植栽培における精玄米重は「あきたこまち」より約13%多収で、標肥直播栽培では「あきたこまち」より約9%多収である。多肥移植栽培、多肥直播栽培における精玄米重は「ふくひびき」並の多収である(表1)。作付け予定地において約79kg/aの多収事例があり、配付先においても多収である(表2、図1)。
- 玄米の外観品質は「あきたこまち」「ひとめぼれ」よりやや劣る"上下"である。炊飯米の食味は「あきたこまち」「ひとめぼれ」並で"上中"である(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 秋田県、宮城県において業務用米生産を目的として作付けを予定している。2019年に10ha、2022年に100haの普及を見込んでいる。
- 栽培適地は「あきたこまち」「ひとめぼれ」の作付けが可能な東北以南である。
- 穂いもち圃場抵抗性遺伝子"Pb1"と連鎖しているDNAマーカー(F4世代:RM206、F8世代:RM27023)を用いて選抜していることから、「奥羽424号」は"Pb1"を保有すると考えられる。
- 高温耐性は不十分であるので、高温による玄米外観品質の低下が発生しやすい地域での作付けは避ける。
- 全国農業協同組合連合会との共同研究「業務用米・飼料用米に適した寒冷地栽培向け多収品種の開発」の成果である。
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研究内容 |
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/tarc/2016/tarc16_s04.html
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カテゴリ |
いもち病
高温耐性
コスト
直播栽培
省力化
飼料用米
新品種
多収良食味
DNAマーカー
抵抗性
抵抗性遺伝子
品種
良食味
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