カメムシ類制御剤標的としてのミトコンドリア膜タンパク質遺伝子の機能

タイトル カメムシ類制御剤標的としてのミトコンドリア膜タンパク質遺伝子の機能
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 生物機能利用研究部門
研究期間 2012~2016
研究担当者 小瀧豊美
塩月孝博
上樂明也
皆葉正臣
管原亮平
山本武範
篠原康雄
三芳秀人
発行年度 2016
要約 カメムシ類のミトコンドリア膜輸送体タンパク質をコードするANTI1遺伝子は成育に必須であり、新規制虫剤開発の標的として利用できる。
キーワード 昆虫、ミトコンドリア、制虫剤
背景・ねらい 殺虫剤抵抗性を獲得した難防除害虫の防除のため、新規制虫剤の標的分子の発掘が常に求められている。その候補として、ミトコンドリア膜ADP/ATP輸送体タンパク質(ANTI)遺伝子を対象とし、カメムシ由来の同遺伝子の機能を解明することにより新規制虫剤の標的分子としての可能性を評価する。
成果の内容・特徴
  1. RNA-seq解析等により、カメムシ類等の重要害虫を含む20昆虫種のANTIをコードする遺伝子の配列を解析したところ、ほとんどの昆虫種にはANTI1とANTI2の2遺伝子がある。
  2. チャバネアオカメムシ(Plautia stali)の幼虫齢期と成虫各組織におけるこれら遺伝子(PsANTI1とPsANTI2)の発現変動を調べたところ、PsANTI1は常に発現しているが、PsANTI2は1齢幼虫と成虫の触角では殆ど発現していない(図1)。
  3. PsANTI1およびPsANTI2の二重鎖RNAを作成し、チャバネアオカメムシ3齢幼虫に注射してRNA干渉法による遺伝子発現抑制を行ったところ、PsANTI1の発現を抑制した場合にのみ高い致死効果がある(表1)。
  4. PsANTI1発現抑制による致死の機構は、幼虫脱皮の阻害である(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. PsANTI1の遺伝子機能を阻害することで致死効果があることから、ANTIを標的とすることで、殺虫剤抵抗性が発達した害虫にも有効な制虫剤の開発が可能となる。
  2. これまでにコクヌストモドキとエンドウヒゲナガアブラムシのANTI遺伝子を導入した酵母によるスクリーニング系を開発しているため、カメムシ類のANTIについても同様の組換え酵母を作出し、カメムシ類に有効な制虫剤の候補となるシーズ化合物を効率的に探索できる。
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/nias/2016/nias16_s18.html
カテゴリ 病害虫 害虫 カメムシ 抵抗性 防除 輸送

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