輸出促進のための輸出対象国における国産農産物の嗜好性データベースの活用

タイトル 輸出促進のための輸出対象国における国産農産物の嗜好性データベースの活用
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 食農ビジネス推進センター
研究期間 2014~2016
研究担当者 後藤一寿
沖智之
河野恵伸
亀山真由美
池羽田晶文
早川文代
佐藤広顕
発行年度 2017
要約 国産農産物の輸出促進のためには、輸出対象国の消費者の嗜好性を把握したうえで、好みに応じた品種を輸出する必要がある。そこで、機器分析などを活用した効果的な嗜好性調査プロセスを明らかにし、調査結果を分かりやすく示す嗜好性データベースを構築・活用する。
キーワード 輸出促進、嗜好性調査、多感覚分析、モモ
背景・ねらい 攻めの農林水産業の柱の一つに国産農産物の輸出拡大が挙げられている。輸出対象国の消費者を対象に嗜好性調査を実施する場合、その国の食文化背景などを調査し、対象とする農産物の味、香り、サイズや色に対する感じ方を客観的に評価することが重要である。しかし、基準となる指標がなければ、輸出対象国同士の嗜好性を比較することは難しく、客観的な評価が得にくいという問題がある。これらを解決するためには、機器分析による基準指標(特徴のある味や香り、色調などのデータ)をあらかじめ作成し、この指標との相対評価を実施することで比較が可能になると想定される。そこで、輸出が期待される国産農産物を対象に、機器分析による特性評価、外国人を対象とした嗜好性調査の手順を示すとともに、得られた成果を嗜好性データベースとして公開する。
成果の内容・特徴
  1. 農産物輸出の可能性を評価するために、マーケット情報や植物検疫などの規制情報を収集するとともに、国内外のバイヤー調査や海外店頭調査を実施する。次に輸出可能性のある農産物の各品種を用いた輸出対象国の消費者への嗜好性調査と機器計測を同時に実施し、それらの統合的な分析により効果的な輸出戦略を策定する(図1)。
  2. 嗜好性調査は、グループインタビューで「外観」「甘さの好み」「香りの好み」「食感の好み」「総合的な好み」などの評価項目を抽出する。輸出対象国の消費者を対象にした試食調査、アンケートでは、各品種について評価項目ごとに9段階ヘドニック尺度(非常に嫌い、とても嫌い、嫌い、やや嫌い、好きでも嫌いでもない、やや好き、好き、とても好き、非常に好き)により回答を求める。
  3. 機器計測は、センサー等を利用した客観的な測定で、糖度や酸度、硬度などの簡易的な測定から、風味を総合的に評価する多感覚分析(味、香り、色調)などの計測技術を用いて客観的な個体の特徴を明らかにする。
  4. 嗜好性調査で収集した回答の平均評価得点を算出し、分散分析及び多重比較等により解析を行い、機器計測の結果と統合的に分析することで、国別品種別の嗜好性を明らかにする。国産のモモ6品種を対象に、世界9か国の日本在住の消費者各国30名以上に対し実施した嗜好性調査の結果、国別に好みが異なることを明らかにしている(図2)。
  5. 以上の結果は「嗜好性情報データベース」https://www.fruit-taste.infoにて公開している。データベースは、管理者が容易に最新の情報を随時更新することが可能な仕様である(図2)。登録可能な情報は、品目、品種、国別嗜好性評価結果(甘さ、香り、食感、総合的な評価)、大きさの好み、品種別多感覚分析結果などであり、出力メニューとして品目別2次元マップ、国別レーダーチャート、品種別類似度を示すクラスター図などが実装されている。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:農業生産法人、JA、普及組織、果樹産地などを抱える地域の行政
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:全国
  3. その他:本調査手法により用いる機器分析技術は、日々進歩をしている分野であり、常に最新の技術に注目しておく必要がある。
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/popular/result070/2017/17_053.html
カテゴリ 植物検疫 データベース 品種 分析技術 もも 輸出

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