多収で製粉性に優れる日本めん用の小麦新品種「びわほなみ」

タイトル 多収で製粉性に優れる日本めん用の小麦新品種「びわほなみ」
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 西日本農業研究センター
研究期間 2005~2017
研究担当者 高田兼則
谷中美貴子
石川直幸
船附稚子
伴雄介
加藤啓太
発行年度 2017
要約 小麦「びわほなみ」は「農林61号」より多収で、製粉性に優れる日本めん用小麦である。子実灰分が低く、子実へのカドミウム蓄積が少ない。アミロース含有率がやや低く、ゆでめんの粘弾性となめらかさが優れる。
キーワード 小麦、多収、製粉性、製めん適性、子実カドミウム
背景・ねらい 「農林61号」や「シロガネコムギ」などの温暖地の日本めん用小麦品種は、製粉性や製めん適性が輸入小麦銘柄と比べて劣るため、その改善が求められている。また、これらの品種は、近年、収量が低下傾向にあることから収量性の向上が求められている。現在、小麦の子実カドミウム濃度の国内基準値は設定されていないが、リスク低減の観点から、低蓄積性品種の育成が望まれている。そこで、多収で製粉性や製めん適性に優れ、子実カドミウム低蓄積性の日本めん用小麦品種を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 小麦「びわほなみ」は早生で製粉性が優れる「中国153号」を母、多収で製粉性がかなり優れ、子実カドミウム低蓄積性の「北見81号(後の「きたほなみ」)」を父とする人工交配の後代から育成された品種である。
  2. 育成地では「農林61号」と比べて出穂期は3日、成熟期は2日早い。稈長はやや短く、穂長は同程度で、耐倒伏性は強い(表1)。
  3. 「農林61号」と比べて収量は1割程度多く、容積重は大きい。千粒重と外観品質は同程度である(表1)。
  4. 穂発芽性は"中"、赤かび病抵抗性は"弱"である(表2)。
  5. 「農林61号」と比べて、子実蛋白質含量はやや低い。子実灰分が低く、子実カドミウム濃度が低い(表3、表4)。
  6. 製粉性は日本めん用の輸入小麦銘柄であるASWと比べて、製粉歩留、ミリングスコアが高く、優れる。アミロース含量はやや低く、"やや低アミロース"である。粉の色相は、明度がやや低いが、赤色みが低く、黄色みがやや高い。「農林61号」と比べて、製粉性はかなり優れ、色相は優れる(表3、表4)。
  7. 製めん評価はASWと同程度である。「農林61号」と比べて、ゆでめんの色、外観、粘弾性、なめらかさが優れる(表4)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:小麦生産者
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:栽培適地は温暖地西部の平坦地。滋賀県において奨励品種採用予定で、普及予定面積は2022年産で3000ha。
  3. その他:赤かび病に弱いため、適期防除を行う必要がある。子実蛋白質含量がやや低いので、必要に応じて実肥を施用する。
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/popular/result020/2017/17_029.html
カテゴリ 病害虫 小麦 新品種 抵抗性 びわ 品種 防除

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