タイトル |
新しく改訂した日本飼養標準・乳牛(2017年版)の公表 |
担当機関 |
(国研)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産研究部門 |
研究期間 |
2013~2017 |
研究担当者 |
野中最子
永西修
阿部啓之
田鎖直澄
樋口浩二
荻野暁史
青木康浩
田中正仁
鈴木知之
真貝拓三
三森真琴
神谷裕子
西浦明子
佐々木修
野中和久
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発行年度 |
2017 |
要約 |
飼養管理技術の進歩、家畜栄養学に関する研究の進展、環境問題、飼料を取り巻く情勢等が変化していることから、日本飼養標準・乳牛を改訂し、2017年版として公表する。
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キーワード |
日本飼養標準、乳牛、養分要求量、改訂
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背景・ねらい |
家畜・家禽の日本飼養標準は、家畜等の成長過程や生産量等に応じた適正な養分要求量を示したものであり、わが国における家畜飼養の基礎となるものである。そのため、生産現場のみならず、行政、普及、教育機関等の分野で幅広く用いられている。日本飼養標準・乳牛(2006年版)が公表されてから11年が経過し、家畜栄養学に関する研究の進展、飼養管理技術の進歩、環境問題、飼料を取り巻く情勢等が変化し、従来の飼養標準に修正あるいは補足すべき部分が生じてきている。そこで、わが国における現在の酪農情勢に即するため、日本飼養標準・乳牛を改訂し、2017年版として公表する。
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成果の内容・特徴 |
- 日本飼養標準・乳牛(2017年版)には、Windows7、8および10(64ビット、32ビット)で利用可能な養分要求量プログラム、飼料診断プログラムがCD-ROMで添付されている(写真1)。
- 初産牛の泌乳初期における乾物摂取量推定のための補正式が見直されている(図1)。子牛の離乳前のカーフスターターの摂取量、および離乳後から3ヶ月齢までの乾物摂取量の推定式が新たに導入されている(図2)。これらは飼料設計時の飼料栄養濃度を決定する際の参考になる。
- 輸入濃厚飼料の価格高騰により、国産飼料の生産基盤の確立・強化が推進されているが、乳牛での利用も高まっている飼料用米やイアコーン、そして高糖分高消化性のイネ発酵粗飼料品種を含めた飼料用イネなど、国内飼料資源の利用技術に関する解説が充実している。
- 泌乳曲線の平準化の考え方による泌乳持続性の改良、子牛価格高騰により重要性が増している乳牛の長命連産性、生涯生産性向上などの解説が新たに加えられている。
- 泌乳量増加に応じた高エネルギー飼料給与時のルーメン発酵に関する情報、搾乳ロボットでの飼養管理技術、乳房炎の情報等の追加・充実など、海外を含めた新しい知見も紹介されている。
- 初産牛のふん尿量および窒素出納の平均値の見直し等、畜産環境問題に関する解説が充実している。
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成果の活用面・留意点 |
- 普及対象:酪農に関わる生産者、飼料工業関係者、農業者大学校、研究者
- 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:販売から1ヵ月で700冊強、教科書需要もあるため、年度内に初版(2000部)完売見込み。
- その他:日本飼養標準・乳牛(2017年版)は公益社団法人中央畜産会が定価3,500円(+税)で販売している。畜産関係雑誌(畜産コンサルタント、畜産技術、農家の友)で解説記事を掲載し、また、畜産関係研究会(九州乳牛研究会、全国畜産関係者普及指導員調査研究会、自給飼料利用研究会等)において講演している。
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研究内容 |
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/popular/result040/2017/17_025.html
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カテゴリ |
飼育技術
飼料設計
飼料用米
飼料用作物
肉牛
乳牛
品種
ロボット
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