「サチユタカ」に難裂莢性を導入した大豆新品種「サチユタカA1号」

タイトル 「サチユタカ」に難裂莢性を導入した大豆新品種「サチユタカA1号」
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 次世代作物開発研究センター
研究期間 2002~2017
研究担当者 高橋浩司
菱沼亜衣
山田哲也
羽鹿牧太
山田直弘
平田香里
小巻克巳
松永亮一
大木信彦
船附秀行
高橋幹
南條洋平
発行年度 2017
要約 「サチユタカA1号」は、近畿中国地域の主力品種「サチユタカ」に難裂莢性を導入した品種で、成熟期・品質などの特性はほぼ同じである。成熟しても裂莢しにくいので、収穫ロスが少なく、実質的に多収となる。
キーワード ダイズ、難裂莢性、サチユタカ、耐倒伏性、DNAマーカー
背景・ねらい 西日本の主要な大豆品種「サチユタカ」は高蛋白で多収の特性を備えた優れた品種であるが、裂莢しやすいため、刈り遅れ時には自然裂莢が多発し、実質収量が大幅に低下する。そこで「ハヤヒカリ」由来の難裂莢性遺伝子をDNAマーカーと戻し交雑法を用いて「サチユタカ」に導入し、自然脱粒と収穫時脱粒を合わせた脱粒損失を大幅に低減し、実質的な収量向上を図る。
成果の内容・特徴
  1. 「サチユタカA1号」は、2002年、耐倒伏性が強く高蛋白の「サチユタカ」を母、難裂莢性を持つ「ハヤヒカリ」を父とした交配を行い、その後、難裂莢性遺伝子を有する個体をDNAマーカーで選抜しながら、「サチユタカ」に5回戻し交雑して育成された品種である。
  2. 成熟期や粒大などの生育・品質特性は「サチユタカ」とほぼ同じで、草姿や子実の外見上の区別はほとんどつかない(表1)。また、豆腐加工適性も「サチユタカ」とほぼ同等である(図1)。
  3. 裂莢性は"難"であり(図2)、成熟後の自然裂莢や室内での加熱試験による裂莢は「サチユタカ」に比べて明らかに少ない。
  4. 刈り遅れを想定した場合には、自然裂莢による脱粒損失が「サチユタカ」に比べて明らかに少なく、実質収量は30%程度増加する(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:生産者、大豆加工事業者。
  2. 普及予定地域・普及予定面積等:栽培適地は関東~九州北部地域。兵庫県で奨励品種に採用され(2016年)、2017年度の作付面積は種子増殖を含め約28ha。2021年度までに「サチユタカ」に全面置き換えを予定している(普及見込み面積:約550~700ha)。
  3. 兵庫県では品種「サチユタカ」とともに「サチユタカ」群として産地品種銘柄設定済。他県でも、品種群を設定して「サチユタカ」銘柄で流通させることが望ましい。
  4. モザイク病、ラッカセイわい化ウイルス等には「サチユタカ」と同様に弱いので、媒介虫のアブラムシ類等の防除を徹底する。莢ははじけにくいが、圃場での長期の放置は品質低下を招くので、可能な限り適期の刈り取りを行う。
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/popular/result020/2017/17_033.html
カテゴリ 病害虫 加工 加工適性 収量向上 新品種 大豆 DNAマーカー 品種 防除 らっかせい わい化

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