飼料用米を活用した豚肉の低コスト生産・高付加価値化

タイトル 飼料用米を活用した豚肉の低コスト生産・高付加価値化
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産研究部門
研究期間 2015~2020
研究担当者 村上斉
田島清
保科和夫
安藤順一
井上寛暁
大森英之
芦原茜
佐々木啓介
中島郁世
木村俊之
斎藤真二フリーデン)
八日市屋敏之フリーデン)
成田卓美
渡邊源哉
本山三知代
発行年度 2020
要約 養豚における飼料用米と酒粕の利用により、肥育豚の低コスト生産が可能となり、特色ある豚肉を生産することで高付加価値化が可能となる。また、トコトリエノールを多く含む飼料用米「オオナリ」の給与で、脂質過酸化を受けにくい、ドリップロスの少ない豚肉を生産できる。
キーワード 飼料用米、酒粕、オオナリ、低コスト生産、高付加価値化
背景・ねらい EPA/FTAやTPP締結などによる国際的な輸出入の自由化の流れの中にあって、養豚農家も収益力を向上させ、競争力を強化することが重要である。そのためには、自給飼料や地域の低未利用飼料資源を活用して、「生産コストの低減」と「生産物の高付加価値化に伴う販売額の増加」による収益力の向上を可能とする技術の開発が求められている。
そこで、本研究では、水田のフル活用を目指して生産量が増加してきた飼料用米と地域の低未利用飼料資源である酒粕などを活用することにより、養豚における生産コストを低減し、特色ある豚肉を生産できることを明らかにする。
成果の内容・特徴 1.慣行飼料のトウモロコシの一部を飼料用玄米に、大豆粕の一部を乾燥酒粕と飼料用リジンに代替して栄養価を調整した飼料を肥育後期豚に給与すると、飼養成績や肉質は遜色なく、脂肪酸組成に特長のある豚肉が生産できる(表1)。
2.酒粕は醸造法により物性が異なり、酒造メーカーごとに粗蛋白質は大きく変動するが、蛋白質含量の高い酒粕を大豆粕と代替した場合を試算すると、飼料費の24%削減を期待できる(表2)。
3.ビタミンEの中でも抗酸化作用が高いといわれるトコトリエノールを多く含む飼料用米「オオナリ」(粉砕玄米)を45%配合した飼料を出荷前2ヶ月給与することで、生産された胸最長筋(ロース)中のトコトリエノール含量を高めることができ、ビタミンEを強化した豚肉を生産できる(図1)。
4.飼料用米「オオナリ」(粉砕玄米)を20あるいは45%配合した飼料を出荷前2ヶ月給与することで、生産された胸最長筋(ロース)の小売店での展示保存中(4°C)の脂質過酸化を抑制でき、ドリップロスの少ない肉を提供できる(図2)。
成果の活用面・留意点 1.豚肉の差別化を目指す生産者および差別化に向けた飼料の開発を目指す飼料メーカーで活用でき、生産者の収益力の向上のための普及指導機関等でも活用できる。
2.酒粕は水分含量が50%以上あり、リキッド飼料としての利用が適している。
3.プロジェクト成果として電子版パンフレットを農研機構のホームページから閲覧できる。
4.本成果の普及に向けては、高水分の酒粕の水分調整の問題解決、オオナリの栽培適正地をさらに広げる試みなどが必要である。
図表1 244639-1.png
研究内容 https://www.naro.go.jp/project/results/4th_laboratory/nilgs/2020/nilgs20_s11.html
カテゴリ 乾燥 高付加価値 コスト 出荷調整 飼料用米 飼料用作物 水田 大豆粕 低コスト とうもろこし 輸出

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