橙色のチップ加工等に適したカロテン含有サツマイモ新品種「あかねみのり」

• 担当機関: （国）農業・食品産業技術総合研究機構 次世代作物開発研究センター
• 研究期間: 2010～2019
• 研究担当者: 藏之内利和; 片山健二; 西中未央; 高田明子; 中村善行; 藤田敏郎; 石黒浩二
• 発行年度: 2020
• 要約: 「あかねみのり」は、カロテンを含むため、サツマイモ加工品の原料に使うと、品質が優れ、橙色の良好な仕上がりとなる。いもの形状が整っているため加工しやすく、既存の加工用品種「ベニハヤト」等に比べて収量性が優れる。
• キーワード: サツマイモ、加工用、カロテン、チップ
• 背景・ねらい: 橙色(オレンジ色)のチップ加工に適したカロテンを含有するサツマイモ品種は少なく、これまでは「ベニハヤト」がチップ加工に用いられてきた。しかし、「ベニハヤト」は、いもの収量性が低く、チップの品質特性が十分でないため、これらの欠点を改良した品種の育成が望まれていた。; そこで、カロテンを含み加工適性や品質が優れる多収性の品種を育成する。
• 成果の内容・特徴: 1.「あかねみのり」(旧系統名:関東146号)は、いもの外観が良く食味が優れる「べにはるか」を母、カロテンを含有し多収性の「作系22」を父とする交配組合せから選抜した品種である。 ; 2.「あかねみのり」は、いもの形状が揃い、目が浅いため加工しやすく、カロテンを多く含有するため製品が橙色を帯びた良好な仕上がりとなる(図1、表1)。 ; 3.「あかねみのり」は「ベニハヤト」に比べてチップ加工適性が優れ、食味・品質が優れる(図2)。また、「ヒタチレッド」と同様に干しいもへの加工適性を有する(表1)。 ; 4.「あかねみのり」は、いもの肉色が橙色の加工用品種「ベニハヤト」や「ヒタチレッド」より収量が大幅に多い(表2)。 ; 5.「あかねみのり」は、サツマイモネコブセンチュウおよびつる割病に"やや強"の抵抗性を示す。
• 成果の活用面・留意点: 1.全国の加工用サツマイモ生産地帯に適し、鹿児島県、北海道で普及が見込まれる。 ; 2.立枯病抵抗性が"弱"なので、同病害の発生圃場では、土壌消毒等の防除に努める。 ; 3.サツマイモ基腐病の蔓延を防止するため、健全苗の使用を徹底する。
• 研究内容: https://www.naro.go.jp/project/results/4th_laboratory/nics/2020/nics20_s06.html
• カテゴリ: 加工 加工適性 かんしょ 新品種 多収性 立枯病 抵抗性 土壌消毒 品種 防除 良食味