タイトル | 中早生で長期貯蔵性の優れるポテトチップ用バレイショ新品種「しんせい」 |
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担当機関 | (国)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター |
研究期間 | 2005~2019 |
研究担当者 |
田宮誠司 浅野賢治 津田昌吾 西中未央 森元幸 小林晃 下坂悦生 向島信洋 赤井浩太郎 岡本智史 高田明子 |
発行年度 | 2021 |
要約 | 「しんせい」は、枯ちょう期が中早生で、ジャガイモシストセンチュウ抵抗性を有する。チップ加工適性が優れ、収穫時期から翌年6月までの長期貯蔵でもチップカラーの低下が少ない。国産原料が不足する2月から6月の原料の安定供給が期待できる。 |
キーワード | バレイショ、チップ加工用、長期貯蔵、ジャガイモシストセンチュウ抵抗性 |
背景・ねらい | 国内のポテトチップ加工用バレイショの需要は増加傾向にあるが、国内産の原料が不足する2月から7月にかけてはアメリカから原料が輸入されている。 国内産の原料の安定供給を図るためには、ジャガイモシストセンチュウ抵抗性で長期貯蔵が可能な品種が必要であるが、ポテトチップ加工用の主要品種である「トヨシロ」は長期貯蔵に適さず、ジャガイモシストセンチュウ抵抗性が無い。また、長期貯蔵用として用いられる「スノーデン」はジャガイモシストセンチュウ抵抗性が無く、枯ちょう期がやや遅い。そこで、ジャガイモシストセンチュウ抵抗性で枯ちょう期が「スノーデン」よりも早く、長期貯蔵性が優れる品種を育成する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 「しんせい」(旧系統名:北海108号)は、ジャガイモシストセンチュウ抵抗性で長期貯蔵可能なポテトチップ加工用品種の育成を目標として、ともにジャガイモシストセンチュウ抵抗性でチップ加工適性を有する「98009-8」(母)と「00045-4」(父)との交配組み合わせから選抜した品種である(図1)。 2. 「しんせい」の熟期は"中早生"で、上いも平均重は「トヨシロ」、「スノーデン」よりも重く、規格内いも重は「トヨシロ」並みで「スノーデン」より少ない。でん粉価は「トヨシロ」よりやや高く、「スノーデン」より高い(表1)。 3. 「しんせい」のチップ加工適性は外観、食味が「トヨシロ」、「スノーデン」より優れ、アグトロン値も「トヨシロ」、「スノーデン」よりも高い(表2)。 4. 「しんせい」は収穫翌年の6月まで6°Cで貯蔵しても、アグトロン値の低下が少なく、長期貯蔵性が「トヨシロ」、「スノーデン」と比較して優れる(図2)。 5. 「しんせい」はジャガイモシストセンチュウ抵抗性を有し、塊茎腐敗と青枯病の抵抗性は"中"である(表1)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 北海道および関東の加工用バレイショ生産地で普及が見込まれる。 2. 除草剤の薬害による葉の黄変が見られる場合があるので、除草剤の散布は適切に行う。 |
図表1 | |
研究内容 | https://www.naro.go.jp/project/results/5th_laboratory/harc/2021/harc21_s01.html |
カテゴリ | 青枯れ病 加工 加工適性 カラー 除草剤 新品種 長期保存・貯蔵 抵抗性 ばれいしょ 品種 良食味 |