タイトル | 茶の葉酸含量に及ぼす摘採時期・加工法の影響および葉酸の浸出特性 |
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担当機関 | (国)農業・食品産業技術総合研究機構 果樹茶業研究部門 |
研究期間 | 2018~2021 |
研究担当者 |
山下修矢 物部真奈美 吉田克志 根角厚司 荻野暁子 野村幸子 谷口郁也 髙山和大 |
発行年度 | 2021 |
要約 | 茶の葉酸は、茶種では緑茶に、収穫期では一番茶期に、摘採時期では早い摘採時期に、新芽の部位では芯や第一葉、第二葉に多く含まれる。茶の葉酸は仕上げ工程における"火入れ"に対しても分解せず、冷水にも浸出することから"水出し緑茶"としても摂取可能である。 |
キーワード | 茶、葉酸、摘採条件、火入れ、水出し緑茶、品種 |
背景・ねらい | 葉酸は赤血球の形成や胎児の発育に重要な水溶性ビタミンであり、一日当たりの摂取推奨量として240μg(12歳以上の男女)が設定されている。また近年、食事からの葉酸の積極的な摂取は脳卒中や心筋梗塞等の循環器系疾患の発症予防に有用である可能性が示唆されている。一方、茶には葉酸が含まれており(日本食品成分表八訂に示される煎茶の茶葉および浸出液の葉酸含量はそれぞれ1300μg/100gおよび16μg/100g)、茶は日本人の食生活において重要な葉酸の供給源となっている。しかしながら、摘採時期や加工法の違いが茶葉の葉酸含量に及ぼす影響や葉酸の浸出特性に関する報告はなく、どのような茶葉あるいは浸出液に葉酸が多く含まれるかは不明である。 そこで、葉酸を豊富に含む茶の製造および茶製品の開発に資する知見を取得することを目的とし、異なる茶の摘採、加工、浸出条件ならびに異なる品種における茶葉および浸出液の葉酸含量について調査する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 茶に含まれる葉酸は、茶種では緑茶に、収穫期では一番茶期に、摘採時期では早い摘採時期に、新芽の部位では芯や第一葉、第二葉に多く含まれる(表1)。 2. 茶葉中の葉酸は煎茶の仕上げ工程における火入れ程度の加熱処理では分解しない(図1)。 3. 茶葉に含まれる葉酸は冷水でも浸出し、10°Cでは1時間、4°Cでは3時間、0.5°Cでは5時間程度の浸出により熱水浸出(80°C 90秒間)と同等以上の量の葉酸が浸出する(図2)。 4. 異なる茶品種の荒茶の葉酸含量の幅は最小1080μg/100g~最大1910μg/100gである。葉酸は日本で多く生産されている「やぶきた」にも比較的多く含まれるが、農研機構が育成した茶品種「さえあかり」や「せいめい」で特に多い(図3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 葉酸を豊富に含む茶の製造および茶製品の開発のための基礎データとして利用できる。 2. 葉酸の量は微生物学的定量法により測定した結果である。 |
図表1 | |
研究内容 | https://www.naro.go.jp/project/results/5th_laboratory/nifts/2021/nifts21_s11.html |
カテゴリ | 加工 茶 品種 |