c.イネゲノム解析に基づく収量形成生理の解明と育種素材の開発

課題名 c.イネゲノム解析に基づく収量形成生理の解明と育種素材の開発
課題番号 2008010625
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 (独)農業・食品産業技術総合研究機構,作物研,稲収量性研究チーム
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,中央研,稲収量性研究北陸サブチーム
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,近農研,稲収量性研究近中四サブチーム
協力分担関係 農業生物資源研究所
京都大学
東北大学
東京大学
東京農工大学
京都府立大学
研究期間 2006-2010
年度 2008
摘要 1)稲収量の飛躍的向上を目指したソース能のQTL解析では、日本型品種(「ササニシキ」)に対して茎葉非構造性炭水化物(NSC)を高めるインド型品種(「ハバタキ」)の染色体領域を第5染色体上に推定し推定座乗領域を約4cMのマーカー間にまで狭めた。糖転流関連遺伝子の解明に利用できる可能性がある葉身でん粉過剰蓄積変異体をTos17レトロトランスポゾンによる遺伝子破壊系統から5系統得た。2)我が国の食料供給力の増強に貢献するため20年度より強化した水稲の超多収栽培技術の開発については、肥効調節型肥料を中心とした施肥体系で、目標値となっている平年収量の80%増を超える多収を達成した。3)小麦粉を炊飯米で30%置換したごはんパンは、米粉置換に比べて膨らみが向上することから、米の細胞壁成分が製パン性に関与する可能性を示した。4)登熟期の高温によってGBSSI、BEIIb、PPDKB、α-アミラーゼ遺伝子などのでん粉代謝関連遺伝子の発現が変動するが、これらの遺伝子は稲染色体上に散在し、白未熟粒の発生程度を制御する量的形質遺伝子座(QTL)の近傍に存在することから、白未熟粒の発生に関与する可能性を示唆した。結合型デンプン合成酵素遺伝子(GBSSI)、デンプン枝作り酵素遺伝子(BEIIb)、α-アミラーゼ遺伝子の組換え体の作出を進めた。高温下では3次籾の生長が相対的に早まること、ABA含有率が低下することを確認した。穂温を上昇させる簡易個体検定装置を開発した。栽培対策として、強度の深水管理が困難な条件を想定し、深植した水稲を水深10cmで深水栽培すると、過剰分げつの発生が抑制され外観品質を改善できることを示した。野生稲O.officinalisから栽培稲に導入した早朝開花性が開花期の高温不稔の回避に有効であることを示した。5)高温処理による白未熟粒発生が、ホスホリパーゼD(PLD)のOsPLDb2とOsIP5P1の抑制系統では減少し、OsPLDa4、OsPLDa5、OsPLC1、OsPLC2の抑制系統では増加することを示した。OsPLDb1とOsPLDd2の抑制系統はいもち病菌と白葉枯病菌に対する抵抗性が増加することを明らかにした。
カテゴリ 肥料 育種 いもち病 小麦 施肥 多収栽培技術 抵抗性 品種 水管理

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