課題名 | c.粗飼料自給率向上のための高TDN収量のとうもろこし、牧草等の品種育成 |
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課題番号 | 2009013852 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,畜草研,飼料作物育種研究チーム (独)農業・食品産業技術総合研究機構,北農研,寒地飼料作物育種研究チーム (独)農業・食品産業技術総合研究機構,東北研,飼料作物育種研究東北サブチーム |
協力分担関係 |
信州大学 家畜改良センター 琉球大学 沖縄県畜産研究センター 茨城県畜産センター 道立根釧農試 道立天北農試 道立北見農試 |
研究期間 | 2006-2010 |
年度 | 2009 |
摘要 | とうもろこしでは、1)耐湿性品種の開発に向けて、不定根形成能QTLを導入した準同質系統を用いたF1系統について、ほ場において12葉期から2週間のかん水を行い耐湿性を評価したが、非導入の系統を用いたF1系統との間で明確な差は確認できなかった。また、有望親自殖系統「Mi29」に不定根形成能を導入した系統(BC3F3)を得たが、テオシント由来の不良形質のホモ化によるものと思われる小雌穂化が生じたため、小雌穂化に関わる遺伝領域解析用としてBC3F3種子を増殖した。2)寒地向け高TDN品種候補として「北交68、70、72号」について3年目の地域適応性検定試験を実施した結果、「北交70号」(中生の早)は初期生育とすす紋病抵抗性に優れることから、「北交72号」(晩生の中)は多収で初期生育に優れることから、それぞれ有望と認められた。3)とうもろこしのデント種親自殖系統「Na71」を種子親に用いた中晩生F1系統「長交C980号」は、乾物収量が標準品種比で109と多収であり、長野県(とうもろこし育種指定試験地)が品種登録出願候補系統としたことから、「Na71」の品種登録出願に向けて各種特性の評価を行った。 牧草では、1)ふん尿堆肥多投を可能にするミネラルバランスに優れたイタリアンライグラスの耐病性育種素材の開発に向けて育成した低硝酸態窒素系統「LNG5」について、特性を評価した結果、硝酸態窒素は市販品種の中で最も低い品種と比較して34%低く、収量性及び耐倒伏性は市販品種と同程度であったことから、有望と判断し中間母本として品種登録を出願することとした。また、低硝酸態窒素で冠さび病抵抗性を有する系統を開発するための選抜を開始した。2)機械踏圧耐性アルファルファ系統の育成に向けて、18年度に選抜した1系統及び20年度に選抜した3系統並びに比較品種について、播種1年目の踏圧処理と生育調査を行い、耐踏圧性の効果として期待される乾物収量の低減少性に関して品種間差を確認した。3)アカクローバ「北海13号」は、イネ科牧草のオーチャードグラス「ハルジマン」あるいはチモシー「クンプウ」と混播した場合、標準品種「ナツユウ」に比べて播種後4、5年目の合計乾物収量が21~35%多く、試験期間中の豆科率(総乾物重に占める豆科の乾物重の割合)も2~7%高く、永続性に優れていることから、「北海13号」を新品種候補系統に選定した。4)フェストロリウムでは、北東北の中標高以下の草地及び飼料畑等における採草・放牧兼用利用に向く新品種候補系統「盛系1号」を育成した。また、集約放牧向き系統を開発するため、育成経過の異なる5集団から越冬性、再生草勢に優れる9母系を選定した。5)オーチャードグラスの高糖含量系統である「北育89号」及び「北育91~93号」は、乾物収量は標準品種「ハルジマン」と同程度であるが、糖含量は1~3%高く、サイレージ発酵品質もやや優れることを確認した。 |
カテゴリ | アルファルファ 育種 イタリアンライグラス 寒地 新品種 耐湿性 抵抗性 とうもろこし 播種 品種 |