課題名 | f.土着天敵等を活用した虫害抑制技術の開発 |
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課題番号 | 2009013874 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,中央研,総合的害虫管理研究チーム (独)農業・食品産業技術総合研究機構,近農研,総合的害虫管理研究チーム |
協力分担関係 |
九州大 農環研 三重県農業研究所 広島県立総合技術研究所 出光興産(株) 岡山大学大学院 (株)アグリ総研 兵庫県立農林水産技術総合センター 大阪府環境農林水産総合研究所 奈良県農業総合センター |
研究期間 | 2006-2010 |
年度 | 2009 |
摘要 | 1)土着天敵昆虫の制御能力の解析と増強法・利用法の開発において、ハダニの土着天敵昆虫であるハダニアザミウマ及びキアシクロヒメテントウのほか、コナガの土着天敵寄生蜂であるコナガサムライコマユバチを対象に、発育期間の死亡率を低減させた効率的な室内増殖技術を確立した。昨年までの試験で得られた飛翔能力を欠くナミテントウ系統と野生系統とを交雑させたハイブリッド系統は、もとの飛翔能力を欠く系統よりも生存率や産卵数が向上し、アブラムシ類に対して高い密度抑制効果があることをほ場試験によって明らかにした。2)昆虫病原性ウイルスの感染メカニズムの解明とチョウ目害虫制御機能向上技術の開発において、顆粒病ウイルス由来たんぱく質を添加したヨトウガ核多角体病ウイルス製剤を試作し、キャベツ並びにブロッコリーほ場におけるヨトウガ防除に有効であることを実証した。たんぱく質添加濃度を半減させても殺虫効果は同等であり、添加濃度を下げて製剤のコストダウンが可能なことを明らかにした。3)土着昆虫病原線虫を活用したヨトウ類等の土壌害虫制御技術の研究において、50万頭/m2施用した昆虫捕食性線虫Steinernema litoraleは、高温期には殺虫活性が低下するものの、平均地温が20℃程度になるとハスモンヨトウに対する防除効果を示し、1年程度の残効性が期待できた。一方、混合散布されたSteinernema abbasiの残効性は低く、施用法を再度検討する必要がある。4)昆虫の体内共生微生物を利用した天敵寄生蜂の増殖技術開発において、ヒトスジシマカの培養細胞とIPL基本培地を組合せて雌化バクテリアRickettsia系統の経代培養法を確立した。マイクロインジェクション法によって雌化バクテリアを移植・感染させた寄生蜂は、羽化率30~50%を達成できたが、産雌性単為生殖個体を確認できなかった。5)昆虫情報化学物質の機能を解明するために、糸で固定したホソヘリカメムシ""つなぎ雄""を用いた野外実験により、つなぎ雄のフェロモン成分保持量は、誘引飛来した個体が雄よりも雌の場合に著しく減少し、雄のフェロモン生成・保持が同種他個体、特に雌の影響を受けることを明らかにした。これにより、ホソヘリカメムシ雄成虫のフェロモンは配偶行動と密接な関係にあることが強く示唆された。6)害虫発生予測手法の開発に向けて、従来の自動カウントトラップの上部構造を改造し、ホソヘリカメムシの捕獲効率を向上させるとともに、フィールドサーバと通信できるトラップを開発した。また、ツマグロヨコバイ・バイオタイプの諸特性や品種加害性の差異を解明し、被害を回避するための稲抵抗性品種の安定的利用技術を開発した。 |
カテゴリ | 害虫 カメムシ キャベツ コスト 抵抗性品種 土着天敵 品種 フェロモン ブロッコリー 防除 |