課題名 | o.フェロモン利用等を基幹とした農薬を50%削減するりんご栽培技術の開発 |
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課題番号 | 2009013883 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,東北研,省農薬リンゴ研究チーム (独)農業・食品産業技術総合研究機構,果樹研,省農薬リンゴ研究果樹サブチーム |
協力分担関係 |
福島農総果樹研 山形農総研生産技術試 福島農総果樹研 岩手農研 |
研究期間 | 2006-2010 |
年度 | 2009 |
摘要 | 1)新規交信かく乱剤コンフューザAAを10a当たり150本設置した園地で補完防除試験を行ったところ、キンモンホソガとモモシンクイガに対しては、6月中旬、7月下旬、8月下旬の3回の殺虫剤散布で実害の生じない水準での防除ができることを実証した。2)スモモヒメシンクイによるりんごの加害は、8月下旬以降にすもも樹等から飛来する第2世代雌成虫の産卵によることを明らかにした。3)4月下旬に殺ダニ活性のある除草剤を使用し、開花期に気門封鎖型殺ダニ剤を散布するなどの対策により、生育前半のハダニ密度を要防除水準以下に抑制しやすくなることを明らかにした。4)リンゴ褐斑病菌の初期感染経路を解析するため、落葉からの子のう胞子飛散を阻害する区と、阻害しない区間で遺伝子多様度を比較し、子のう胞子からも一定割合の感染が起こることを確認した。5)わい台りんご樹の樹冠下雑草に対し、除草剤を使わずに、アーム可動式乗用草刈り機で3回除草することで、他の作業に支障ない程度に雑草丈を維持できることを実証した。6)ストロビルリン系殺菌剤を年間5回連続散布する試験を4年続けたほ場において、褐斑病菌には耐性菌が見出されなかったが、同じ条件で斑点落葉病菌には耐性菌が認められたことから、同系薬剤の年間使用回数の規制は必要であると推察された。7)上記知見を総合して構築した農薬50%削減防除体系を現地ほ場で試験したところ、地域の慣行防除と比べて、主要病害虫による被害増は認められず、実用的な防除効果が得られることを証明した。8)特別栽培りんごでは、相対販売の推進により、一般防除品に対し10Kg当たり84円から919円の幅で価格が上昇し、上位等級品ほど価格差が大きい傾向が明らかになった。一方、19年度の解析時に存在した特別栽培の係増し経費は21年度には消滅しており、販売価格差はそのまま生産者の収益向上になっていることが判明した。9)予察会議など生産技術を担う組織と共販を担う組織とが、同じ部会の下部組織として綿密に連携を取り合うことにより、相対取引の交渉を有利に導くことのできる生産履歴となるように配慮しながら、防除内容を決めることができる実態が明らかになり、それが特別栽培の導入条件の根幹的な部分であると考察された。10)りんごの農薬50%削減栽培技術体系及び樹種複合における農薬の効率的散布技術について、マニュアルとしてとりまとめた。 |
カテゴリ | 病害虫 害虫 栽培技術 雑草 除草 除草剤 すもも 耐性菌 農薬 フェロモン 防除 もも 薬剤 りんご |