c.野生鳥獣の行動等の解明による鳥獣害回避技術の開発

課題名 c.野生鳥獣の行動等の解明による鳥獣害回避技術の開発
課題番号 2009013967
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 (独)農業・食品産業技術総合研究機構,近農研,鳥獣害研究チーム
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,中央研,鳥獣害研究サブチーム
協力分担関係 滋賀県農業技術振興センター
奈良県農業総合センター
島根県農業技術センター
福岡県農業総合試験場
群馬県立自然史博物館
栃木県県民の森
山梨県総合農業技術センター
研究期間 2006-2010
年度 2009
摘要 1)調査地域の箱罠周辺へのビデオによるイノシシの行動観察により、1、2月に出没がピークに達し、また、捕獲率はイノシシの年齢により異なることが判明し、捕獲統計データと併せて調査地域の総生息数を推定できた。2)イノシシの生息に関わる環境要因から作成した出現予測モデルと水稲分布データを用いて、千葉県全域における被害発生危険度の分布図を作成し、実際に野外で被害状況調査を行って予測の精度を検証した。精度の指標であるAUC(曲線下面積)値は0.73、的中率は74.4%で、実用に耐える精度が得られた。3)2種類の多重種対応型(合掌型、おしゃもじ型)立体柵を開発し、実規模現地試験でイノシシ、サル、タヌキ、テン、キツネに対する侵入防止効果を確認した。さらに、地域において使いやすくするため設置コストを抑えた簡易型立体柵の侵入防止効果も確認した。4)地域への害獣対策の技術移転において、果樹の低樹高化などの害獣の潜み場となりにくい環境が侵入抑制効果を有することを確認した。また、イノシシが採草地のイネ科牧草に依存していること、イネ科牧草ではイタリアンライグラスがトールフェスクより嗜好性が高いこと、ワラビが優占する草地では刈り払い後の残さを除去すると掘り起こしが減ることを見出した。5)イノシシは甘味、苦味を正確に感じており、ハクビシンは直径3~215mmの柱を登ることができるがそれ以上太い場合は登ることが困難であるなど、感覚や運動能力を明らかにした。また、有望忌避植物としてヨウシュヤマゴボウ等を選抜し、柵との併用による侵入防止効果の強化の可能性を示唆した。6)カラス害の物理防護技術のうち、樹高2m程度までの果樹及び果菜類に対して、一般的な農業資材を用いた安価で簡易な防鳥網の掛け外し方法を完成した。7)島根県美郷町A地域をモデル事例として、野生鳥獣を誘引しにくく、かつ防護しやすい果樹や野菜の営農手法を継続的に地域住民に技術移転した結果、営農意欲、被害防止意欲の高揚が見られ、販売所の自発的開設、栽培品目を増した人が53%、作付面積を増した人が46%に達し、47aの休耕地で再開墾が行われて、高齢化率が40%を超える集落であっても地域が活性化することを実証した。また、このモデル事例が高知県B町や茨城県C町など各地の集落に波及しはじめた。
カテゴリ イタリアンライグラス コスト ごぼう 水稲 鳥獣害 低樹高 わらび

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