f.食用稲における病害抵抗性の強化のための遺伝子単離と機作の解明

課題名 f.食用稲における病害抵抗性の強化のための遺伝子単離と機作の解明
課題番号 2010014888
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 (独)農業・食品産業技術総合研究機構,中央研,病害抵抗性研究チーム
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,(独)農業・食品産業技術総合研究機構,東北研
中島 敏彦
協力分担関係 国際農林水産業研究センター
長野県農業試験場
福島県農業総合センター
佐賀県果樹試験場
大分県農林水産研究指導センター
徳島県立農林水産総合技術支援センター
宮崎県病害虫防除・肥料検査センター
熊本県病害虫防除所
高知県病害虫防除所
岐阜県病害虫防除所
研究期間 2006-2010
年度 2010
摘要 1)いもち病等の抵抗性遺伝子の解析では、LTR型トランスポゾンを指標として構築したDNAマーカー(tK59)が日本型、インド型68品種を用いた解析でPitを有する品種のみに反応し、Pitの効率的な検出に関し、実用性が高いことを実証した。  いもち病ほ場抵抗性強品種の効率的な育成のため、ほ場抵抗性遺伝子Pi34保有イネを高精度で選抜できる共優性DNAマーカーを開発した。Pi34の単離のため、本遺伝子保有品種から、候補遺伝子発現抑制個体を作出し、相補性検定を行った。ほ場抵抗性強品種「トヨニシキ」と弱品種「Danghang-Shali」の交配後代を用いたQTL解析から、「トヨニシキ」の強ほ場抵抗性に3個のQTLが関与している可能性を示した。2)いもち病のほ場抵抗性の変動要因とその機作の解明に関しては、いもち病菌を接種したPi34保有イネ品種の葉身細胞の反応を調査し、Pi34がいもち病菌の葉身細胞侵入後の菌糸伸展を抑制することを明らかにした。ほ場抵抗性遺伝子Pi34とPi35および同pi21とPi34あるいはPi35の集積系統は、それぞれ各遺伝子の単独保有系統より感染初期の菌糸伸展および病斑形成を各々強く抑制することを明らかにした。  縞葉枯病抵抗性遺伝子ST07を導入した遺伝子組換え系統および同遺伝子発現抑制系統の病徴型、発病程度、本病ウイルスの増幅量、抵抗性遺伝子発現量などの解析から、本病のイネでの発病や病徴型はウイルス侵入移行後の葉原基部における抵抗性遺伝子の発現量に依存している可能性を明らかにした。3)マルチラインの持続的利用に関し、いもち病真性抵抗性遺伝子Pitaに対する病原菌の病原性獲得は非病原性遺伝子AVR-Pita1JAの変異によって生じることを明らかにした。また、この変異をPCRで簡易に識別できる方法を開発した。さらに、マルチラインにおけるいもち病発病予測のために開発・公開したいもち病菌レースの長期変動予測および葉・穂いもち病勢進展モデルが、宮城県・新潟県のいずれにおいてもマルチライン栽培ほ場での発病様相およびレース変動を良く説明でき、実用性があることを明らかにした。
カテゴリ 肥料 いもち病 縞葉枯病 DNAマーカー 抵抗性 抵抗性遺伝子 病害抵抗性 品種

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