課題名 | d.大麦・はだか麦の需要拡大のための用途別加工適性に優れた品種の育成と有用系統の開発 |
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課題番号 | 2010014908 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,近農研,大麦・はだか麦研究チーム (独)農業・食品産業技術総合研究機構,作物研,大麦研究関東サブチーム (独)農業・食品産業技術総合研究機構,中央研,大麦研究北陸サブチーム (独)農業・食品産業技術総合研究機構,九州研,大麦・はだか麦研究チーム |
協力分担関係 |
埼玉県農林総合研究センター水田農業研究所 栃木県農業試験場(栃木分場) (株)大麦工房ロア 大妻女子大学 (株)ADEKA 福岡県農業総合試験場 |
研究期間 | 2006-2010 |
年度 | 2010 |
摘要 | 1)低ポリフェノール化による加熱後色相を改良した品種育成に向けて、実用品種並みの耐穂発芽性を持つant遺伝子を導入した極低ポリフェノール系統「四系9812」、「四系9813」を開発した。また大麦の12個のプロアントシアニジンフリー遺伝子は褐変原因物質カテキン、プロアントシアニジン含量を激減させ、ant27,28,29の3遺伝子は随伴する不良形質が少なく大麦品種の育成に有用であることを明らかにした。さらに寒冷地向けの極低ポリフェノール系統として雲形病抵抗性を付与した5系統を系統適応性検定試験に供試した。2)低アミロース化(もち性)と胚乳成分改変による有用系統開発に向けて、もち性で高β-グルカン含量の「関東裸糯94号」、「四R系3754」を開発した。また穀粒硬度やβグルカン含量を高める効果を持つamo1(high amylose1)遺伝子に連鎖する共優性DNAマーカーを見いだした。さらに原麦抽出物と同様に糠抽出物にも脂肪細胞分化促進作用があることを確認した。3)縞萎縮病抵抗性を付与した加工用途別大麦品種として、中折れし難く、多収の麦茶用六条皮麦品種「カシマゴール」を育成した。また大麦縞萎縮病遺伝子rym5 座の抵抗性を司るeIF4E 遺伝子から、抵抗性と罹病性を判別できるDNAマーカーを開発した。4)加工・食味関連形質の支配要因の解明に関しては、炊飯麦香気に含まれる成分をGC-MSで分析し、搗精歩合・産年・品種間で比較した。搗精麦の炊飯香気に、2-heptenal、2-octenal、2-nonenal、2,4-nonadienal、2,4-decadienal等の悪臭成分を見出し、その含量は古麦が新麦より多く、品種では「セツゲンモチ」、「カシマムギ」、「ファイバースノウ」の順で多い傾向を認めた。5)でん粉合成関連酵素機能の解明については、突然変異由来のでん粉変異体系統が、原系統に比べて関連酵素SS1、SS2、SBE2a、2bの発現量が大幅に低下しており、アミロペクチンの側鎖長が短い系統があることを明らかにした。 |
カテゴリ | 萎縮病 大麦 加工 加工適性 需要拡大 DNAマーカー 抵抗性 はだか麦 評価法 品種 麦茶 良食味 |