課題名 | 高商品性ニホンナシ・クリ及び核果類の品種育成と省力生産技術の開発 |
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課題番号 | 2011017548 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,果樹研,品種育成・病害虫 |
協力分担関係 |
生物研 種苗管理センター 農業環境技術研究所 福島県農業総合センター果樹研究所 茨城園研 長崎県農林技術開発センター 神戸大学 大阪市立大学 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2011 |
摘要 | ニホンナシの授粉や摘果の省力化が可能な自家和合性又は自家摘果性の良食味品種の育成では、a)5系統の全国での系統適応性検定試験において、いずれの系統も品種候補として有望であるとの評価を得たが、果実形質及び栽培性について、平成24年度も継続して評価することとした。b)黒星病抵抗性、自家和合性、自家摘果性等の形質を付与した良食味品種育成を目的として、新たに20組合せ、5,236粒の交雑種子を獲得した。交雑実生1,077個体の果実特性等を調査し、5個体を次回系統適応性検定試験供試系統の候補とし、543個体を淘汰、529個体を継続調査とした。 ニホンナシの省力・軽労化技術及び果肉障害対策技術等の安定生産技術の開発では、a)溶液受粉の結実率は、「豊水」では慣行受粉の半分、「あきづき」で8~9割程度と高かったことから、「あきづき」における溶液受粉適用の可能性は「豊水」より高いと判断した。b)「あきづき」、「王秋」のコルク状障害は8月以前に発生を開始し、助長要因として「あきづき」ではGA処理、高温/乾燥、「王秋」では高温、高い土壌硬度が挙げられ、袋かけ処理は両品種の障害発生を抑制することを確認した。c)モモの果肉障害は、エテホン処理や遮光袋の被覆で若干増加する傾向を示したが、果肉障害の発生に対する大きな影響は認められなかった。d)ニホンナシ「幸水」と「豊水」を用いて、収穫とせん定による養分の年間持ち出し量を算出し、持ち出し量が現行の施肥基準より大幅に低い値であることを示した。e)モモへの塩化カリの施用は、果実品質に影響は認められず、通常施肥量であれば土壌にも蓄積しにくく、硫酸加里と同様に使用できると判断した。 核果類の選抜系統の評価、交雑種子獲得及び交雑実生の特性調査については、a)核果類14系統について特性を調査した。b)モモではみつ症発生少、低低温要求性、着色向上などを、ウメでは開花期晩、赤肉を、スモモでは大果を目標とした交雑を合計17組合せ、3,630花の交雑を行い、166個体の交雑実生を獲得した。保有する交雑実生全1,056個体中、果実形質等が優れるモモ4、ウメ1、スモモ1、アンズ1の計7個体を選抜し、340個体を淘汰、709個体を継続調査とした。 クリの選抜系統の評価、交雑種子獲得及び交雑実生の特性調査については、a)クリ4系統は、系統適応性検定試験において多くの試験場所で初結実であり、次年度も引き続き評価する。b)クリ10組合せ、2,801粒の交雑種子を獲得した。交雑実生384個体の果実特性等を調査し、有望な19個体を再調査と判定し、256個体を淘汰、109個体を継続調査とした。c)「ぽろたん」の受粉樹には、「美玖里」、「石鎚」、「岸根」、「利平ぐり」が適することを明らかにした。「ぽろたん」の易剥皮性機構の解明を目的として、渋皮中の水溶性・アルコール可溶性等のポリフェノール量を測定し、ポリフェノールの蓄積パターンが「ぽろたん」と他の品種で異なることを明らかにした。 |
カテゴリ | あんず うめ 果肉障害 乾燥 くり 黒星病 軽労化 受粉 省力化 すもも 施肥 茶 低温要求性 抵抗性 日本なし 品種 もも 良食味 |