課題名 | 有機農業の成立条件の科学的解明と栽培技術の体系化 |
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課題番号 | 2011017568 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,中央研,生産体系 (独)農業・食品産業技術総合研究機構,東北研,環境保全型農業 |
協力分担関係 |
青森県産業技術センターりんご研究所 茨城県農業総合センター 弘前大学 (株)出光興産 JAやさと有機栽培部会 新潟県農業総合研究所 (財)微生物応用技術研究所 雪印種苗株式会社 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2011 |
摘要 | 先進農家が実施する有機栽培技術のメカニズムの科学的解明と有機輪作生産技術体系の構築については、田畑輪換を活用した水田作では、移植時の米ぬか散布や株間の短縮等により、雑草乾物重の増加が顕著に抑制されることを明らかにし、水田用複合除草機(米ぬか散布+機械除草)を核とした水稲有機栽培の除草体系を提示した。カバークロップ等を利用した畑輪作では、a)ふすま、米ぬか、精製ぬかのすきこみ処理により、ジャガイモそうか病に対して、春作(甚発生)で防除価7.6~44.8、秋作(多発生)で同14.1~64.8の防除効果を発揮することを示した。また、種いもを市販微生物農薬液等へ瞬間浸漬することで、慣行化学農薬(ストレプトマイシン剤)と同程度のジャガイモそうか病の消毒効果があることを示した。b)太陽熱処理技術等を導入したレタス-ニンジンの有機輪作モデル体系では慣行と同程度の収量を達成した。生育と収量の確保のため、目標となるレタス栽培期間の土壌無機態窒素の指標値(暫定値で約20mg/100g乾土)を明らかにした。c)ジャガイモ根共生細菌群集の多様性解析から有機栽培に特徴的な菌群を特定した。コマツナの葉共生細菌群集の解析から肥培管理の違いが共生微生物の多様性に影響することを明らかにした。 有機農業の生産技術体系の構築と現地実証については、東北地域の水稲作では、複数回代かきとチェーン除草・機械除草を組み合わせた体系や冬期の畝立て(高さ約30cm)は、田植え後のコナギの防除に有効と判断した。南九州地域の畑輪作では、ダイコン-サツマイモ有機畦連続栽培体系について、所内有機JAS認定圃場及び現地実証圃場(宮崎県都城市山田町)で実践し、ダイコン、サツマイモとも高い収量、品質の生産物を確保できた。また、ラッキョウ-ホウレンソウ緑肥導入体系の現地実証試験(12.6a)を都城市今町で開始し、ラッキョウの生育は、米ぬか油粕基肥施用(農家慣行施肥区)より、九州研で開発した焼酎廃液濃縮液畦内施用+局所追肥散布(改良施肥区)で優れており、本施用法の有効性を確認した。 有機農業の持続性評価手法の開発については、富栄養化や酸性化等の影響領域を用いた評価の妥当性と改善すべき点を明らかにした。また、有機農業の持続性評価に必要なライフサイクルインベントリ(LCI)データベースを拡張した。 このほか、畑土壌の可給態窒素の判定法について、COD(化学的酸素要求量)測定用試薬セットと簡易吸光度計の併用により、簡便かつより精緻な方法に改善した。有機栽培におけるカバークロップの利用に関する情報として,草生栽培に用いるオオナギナタガヤ及びナギナタガヤの出穂性と発芽特性を明らかにした。 |
カテゴリ | 病害虫 有機栽培 有機農業 こまつな 栽培技術 栽培体系 雑草 除草 除草機 水田 施肥 だいこん データベース にんじん 農薬 春作 ばれいしょ 肥培管理 防除 ほうれんそう らっきょう 輪作 レタス |