⑥ 動物の生体防御に関わる分子機構の解明

課題名 ⑥ 動物の生体防御に関わる分子機構の解明
課題番号 2012020467
研究機関名 農業生物資源研究所
研究分担 木谷 裕
竹澤 俊明
竹之内 敬人
佐藤 充
協力分担関係 (社)農林水産・食品産業技術振興協会
(独)農業・食品産業技術総合研究機構
国立大学法人東北大学
全農畜産サービス(株)
(独)家畜改良センター
宮城県畜産試験場
静岡県畜産技術研究所
千葉県畜産総合研究センター
徳島県立農林水産総合技術支援センター
岐阜県畜産研究所
研究期間 -4
年度 2012
摘要 1.肝臓特異的な組織マクロファージであるクッパー細胞は、異物認識や免疫応答の誘導など重要な生体防御機能を担っている。我々はこれまでに、肝細胞の混合培養系においてクッパー細胞を増殖させた後、付着性の高いクッパー細胞のみを簡易に繰り返して回収する新しい方法を開発した。24年度はその方法をブタの肝臓に適用して、約2~3週間にわたり、肝実質細胞の混合培養フラスコからマクロファージ様細胞を繰り返して採取できた。単離された細胞についてマクロファージ特異的モノクローナル抗体による染色、蛍光ラテックスビーズの貪食やリポポリサッカライド(LPS)刺激による各種炎症性サイトカインの産生など、クッパー細胞の特性が確認された。本手法により得られたクッパー細胞を用いて、ブタの生体防御機能に関わる細胞・分子機構の解明が進むと期待される。
2.免疫シグナル伝達に重要な役割を果たすアダプター分子WASPの機能を解明するため、マウス・マクロファージにおいてWASP-N末端ドメインに会合する分子を探索した結果、LPS-TLR4シグナル伝達系で働くチロシンキナーゼBtkのSH3ドメインが同定された。WASP-N末端ドメイン特異的一本鎖抗体(scFv)を発現するトランスジェニックマウスを用いた解析から、マクロファージにおいてWASPはBtkとが相互作用し、LPSシグナル伝達系において重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
3.WASPに対する一本鎖抗体と絹フィブロインL鎖とを直接融合したシルクタンパク質(アフィニティーシルク)を、トランスジェニックカイコ技術を利用して作出した。これらのシルクパウダーを利用した免疫沈降により、マウスのマクロファージから標的タンパク質WASPを細胞抽出液から特異的に精製することができた(新機能素材研究開発ユニットとの共同研究)。この技術を用いて、より安価で、より安定な新しいアフィニティー精製用担体の開発が期待される。
4.SPF環境で飼養されたデュロック種豚集団191頭について、豚胸膜性肺炎(原因菌:Actinobacillus pleuropneumoniae(APP))と豚丹毒(原因菌:Erysipelothrix rhusiopathiae(ER))の不活化ワクチンを接種した際の抗体応答と、SLA(豚MHC)や各種Toll様受容体の遺伝子型との比較を行い、特定のSLAクラスII領域ハプロタイプとER、TLR5の遺伝子型とAPPに対する抗体応答との相関を検出し、豚のワクチンへの応答の個体間差に遺伝的背景の影響が存在することを明らかにした。
5.コラーゲンビトリゲル膜チャンバー内にヒト角膜上皮細胞株(HCE-T細胞)を三次元培養することで構築したヒト角膜上皮モデルに、30種類の被験物質を曝露して3分以内に変動する経上皮電気抵抗値(TEER)のプロファイルについてパターンを解析した。さらに、このパターンを評価する3つの指標とその判定基準を設定することで、従来の動物実験に基づくGHS分類と高い相関性(感度100%、特異度75%、一致度90%)が得られる眼刺激性試験法の開発に成功した。今後、本試験法をプレバリデーションへ展開するため、Vitrigel-EIT(eye irritancy test)法と命名した。
カテゴリ カイコ

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