果樹におけるDNAマーカー育種のための高度基盤技術の開発

課題名 果樹におけるDNAマーカー育種のための高度基盤技術の開発
課題番号 2013023049
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 山本俊哉
清水徳朗
協力分担関係 東京大
生物研
沖縄農研
京都大
名古屋大
岡山大
鹿児島大
静岡大
国立遺伝研
広島総技研
研究期間 2011-2015
年度 2013
摘要 DNAマーカーを用いたニホンナシやカンキツの高精度遺伝子の地図を構築に関しては、a) ニホンナシ「豊水」の塩基配列情報を基に、4塩基、5塩基もしくは10~14塩基モチーフを持つ120種類の新規SSRマーカーを開発し、全てのSSRマーカーをニホンナシ「豊水」、セイヨウナシ「バートレット」及び「ラ・フランス」のいずれかの連鎖地図上に位置づけた。b) ニホンナシ「豊水」、「あきづき」、「新高」、「 巾着」などのゲノム配列とチュウゴクナシ品種「酥梨」の公開ゲノム配列との比較から、約200万種類のニホンナシ品種間一塩基多型(SNP)及び約90~130万種類のアリル間SNPを見出し、ニホンナシ栽培品種で利用可能な768種類のSNPを搭載したGoldenGate Assay用のカスタムBeadChipを合成した。c) リンゴ「ふじ」のゲノムリシーケンスデータを基に設計した約300の有用SNPを用いて、国内品種群(96品種)の 遺伝子型タイピングを行うとともに、ヨーロッパで開発された18,000のSNPを搭載するInfinium chipを利用して、国内品種へ利用可能な14,000種類のSNPを見出した。d) カンキツ15品種・系統の全配列から約1,300万件のSNPを見出した。そのうち1,536 SNPを選抜してGoldenGate Assay用プローブを設計した。e) クレメンティン半数体の公開ゲノム配列情報を利用して、カロテノイド代謝酵素遺伝子のゲノム上の数と位置を特定した。7種類のカロテノイド代謝酵素遺伝子について、11の推定mRNAをクローニングした。f) カンキツでは、「興津46号」の連鎖地図(345マーカーで660cM)と「かんきつ中間母本農5号」の連鎖地図(254マーカーで642cM)を構築するとともに、カロノテイド関 連遺伝子のeQTLを行った。
遺伝子発現情報やゲノム配列と関連づけた一層の高精度化に関してはa) ニホンナシ「豊水」の様々な発達過程の果実、ホルモン処理果実 、障害果実、様々な時期の花器官、葉器官など33種類のサンプルから完全長cDNAライブラリを作成し、非重複な41,100のEST配列を同定し た。さらに本配列から、41,011種類の遺伝子に対応するマイクロアレイプローブを設計した。b) ブドウ、モモ、リンゴについて、最新の 公開ゲノム情報に基づいて、全遺伝子を搭載した新規のマイクロアレイを開発した。c) ウンシュウミカン「宮川早生」の新型シーケンサ 解読情報を基にゲノム用アセンブルソフトウェアPLATANUSを用いてゲノムの全配列を構築し、遺伝子数は24,021、mRNAは32,246と推定した。d) 果実中のカロノテイド含有量に分離が見られるカンキツ交雑集団を用いて、7種類のカロテノイド代謝遺伝子の発現量をQTL解析し、 フィトエンデサチュラーゼ遺伝子PDSとζ-カロテンデサチュラーゼ遺伝子ZDSの遺伝子発現制御は、新規カロテノイド代謝調節因子候補TF0271の影響を受けることを明らかにした。
結実性、果実形質、病害抵抗性などと関連するDNAマーカーとその利用技術の開発に関しては、a) LAMP(Loop-Mediated Isothermal Amplification)法を用いて、ニホンナシの自家和合性個体を簡便、迅速かつ高額機器を必要とせずに目視での検出が可能な判定手法を開発した。b) リンゴ「王林」×「あかね」のF1集団137個体を用いて、「王林」の第15、第16連鎖群、「あかね」の第3、第10連鎖群に合計4つの収穫期QTLを安定的に見出した。収穫期の遺伝率は82%で、4つのQTLにより遺伝分散の約70%が説明できることから、収穫期のマーカー選抜 は実用的に利用可能と判断した。c) ニホンナシ「巾着」の持つ黒斑病罹病性原因遺伝子の領域をカバーするBACコンティグ230kbpを構築し、ファインマッピングにより原因遺伝子の座乗位置を48kbpの領域に絞り込んだ。d) 「はれひめ」×「吉田ポンカン」集団におけるかいよう病の噴霧接種検定(3回)から抵抗性の遺伝分散は45~53%と推定した。付傷接種検定(2回)それぞれの平均値を基にQTL解析を行い、 付傷接種による病斑径のQTLを第1、2連鎖群に、噴霧接種による病斑面積と病斑数のQTLをそれぞれ第2、第4連鎖群に位置づけた。e) カン キツのジベレリン合成関連遺伝子GA20ox(GA20酸化酵素)、GA2ox(GA2酸化酵素)、GA3ox(GA3酸化酵素)など7つを単離した。
カテゴリ 育種 温州みかん 果実障害 DNAマーカー 抵抗性 日本なし 病害抵抗性 品種 ぶどう ぽんかん もも りんご その他のかんきつ

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