課題名 | 畜産廃棄系バイオマスの処理・利用技術と再生可能エネルギー活用技術の開発 |
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課題番号 | 2015027861 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
協力分担関係 |
東北農業研究所 茨城県畜産センター 千葉県畜産総合研究センター 宇都宮大学 アドバンス理工(株) (有)岡本 製作所 福島県農業総合センター 栃木県畜産酪農研究センター パナソニック(株) E&Eシステム |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2015 |
摘要 | 家畜排せつ物の堆肥化・浄化処理の高度化に関しては、 a) 実証規模の改良型ロックウール脱臭装置の循環水中の窒素成分上昇速度の季節性、硝酸還元菌とアナモックス菌の共存による窒素 除去能を約1.8倍向上させる汚水循環量など、高度処理のための装置運転条件を明らかにした。 b) 非晶質ケイ酸カルシウム(CSH)による生物処理後養豚排水のリン回収、色度低減、大腸菌群消毒の同時処理技術について、実証プラントの運転に基づき動作フローを確定するとともに、回収CSHの連続造粒を可能とした。粉末硫黄による脱窒処理については、実用 化に適したリアクターの仕様を確定し、技術導入解説を公表した。 堆肥由来エネルギーの高効率回収・利用技術に関しては、堆肥発酵熱回収温水給与システムの導入・運転経費と乳販売額増分を求め、搾乳牛1頭当たり年間1万円程度の収入増につながることを示した。また、高温堆肥への吸引通気により加温された排気を他の堆肥化材料に圧送通気を行うことで、寒冷地でも堆肥化材料の発酵が速やかに開始されることを明らかにした。 エネルギー自給型家畜飼養管理及び低環境負荷型家畜排せつ物処理システムの構築に関しては、 a) ヒートポンプ生乳冷却時温水生成システムについては、実証農場における搾乳関連機器の消費エネルギーコストが約2割(搾乳牛1 頭あたり年間0.8~1.6千円)削減されることを明らかにした。 b) 農場内消費電力や太陽光発電量等を経時的に可視化する再生可能エネルギー導入支援アプリケーション及びマニュアルを作成した 。堆肥化施設と搾乳機器との連携により農場電力需要を平準化するシステムを製作した。 c) コスト面及び環境負荷面からふん尿処理システムの最適化を行うプログラムを開発し、いくつかの自治体の条件下において最適化 された低環境負荷型のふん尿処理システムを提案した。 このほか、 a) 排水浄化とエネルギー回収を同時に行える微生物燃料電池に関して、高い電気出力を持つ炎酸化ステンレス鋼電極を開発するとと もに、省エネ型の新規浄化リアクターを製作し、BOD除去と窒素除去、BODセンシングが可能であることを確認した。 b) 農林水産省「食料生産地域再生のための先端技術展開事業」により、堆肥発酵熱回収温水給与システム及びソーラーシェアリング 型太陽光発電装置を福島県内の酪農再開実証農場に導入し運用を開始した。 |
カテゴリ | アナモックス菌 コスト 再生可能エネルギー 飼育技術 省エネ・低コスト化 センシング 乳牛 発電装置 ヒートポンプ 豚 |