新たな農業生産システムの構築に資するIT・ロボット技術等の基盤的技術の開発

課題名 新たな農業生産システムの構築に資するIT・ロボット技術等の基盤的技術の開発
課題番号 2015027889
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
協力分担関係 三菱農機(株)
鹿児島農総セ
ヤンマーヘリ&アグリ(株)
滋賀農技セ
みのる産業(株)
(株)やまびこ
埼玉県農業 技術研究センター
静岡県農業技術研究所
千葉県農林総合研究センター
宮崎大学
研究期間 2011-2015
年度 2015
摘要 トラクタ直進作業を支援する作業システムの開発では、高精度直線アシスト装置は、開発が完了し、平成28年度にモデル 市販の予定である。さらなる適用性の拡大や実用性向上のため、トラクタ前方の風景画像を記憶・解析して直進方向を設定する機能、並びに、前行程の作業跡を検出して追従走行する機能の開発に着手し、平坦なほ場では所定の性能を得るとともに、傾斜地への対応など改良すべき事項を明らかにした。
ロボットトラクタ技術では、
a) トラクタ装着式の耕うん耕盤均平機と可変施肥機について、前者では、制御特性同定手法と作業機の高さ制御アルゴリズムを、後 者では、肥料残量検出用計量フレーム及び施肥機への作業指示ファイル生成機能を試作・実装するとともに、本機となるロボットトラクタの基本仕様を作成し、ロボット農用車両運用システムを試作した。
b) ロボットトラクタ(無人機)と有人トラクタによる有人無人協調型システムを対象に、危険事象の抽出とリスクアセスメントの試 行を行い、製造者が実施すべきリスクアセスメント及び追加保護方策の要否等にかかる検討の具体例を提示した。
パッケージセンター向けイチゴパック詰めロボットは、平成27年度に市販化された。
施設向け静電防除ロボットでは、トマトハイワイヤ栽培及び土耕キュウリ栽培の現地実証試験において、トマトでは通常よりも20~30%削減した散布量でも、通常散布量の慣行機や慣行手散布と同程度であることを明らかにした一方で、土耕栽培など本機の走行が安定しない条件では付着性能が劣り、円滑で安定した走行や回行が可能な作業路、畝、枕地等の整備が重要であることなどを抽出し、市販化に向けた機械改良の方向性を明らかにした。
イチゴの高密植移動栽培装置及び定置型収穫ロボット等の基盤的技術では、循環移動式栽培装置と定置型イチゴ収穫ロボットは、平成26年度に市販化された。平成27年度は、導入先農家施設における実証試験を通じて、作業性、収量・品質、コスト等について調査を行い、装置の有効利用方法及び栽培管理上の課題を明らかにした。

このほか、
a) 無人ヘリ作物生育観測システムの開発と実証では、基肥量及び追肥量を変えた水稲ほ場において、水稲の生育情報を空中測定した 結果、成熟期のIR(近赤外域)反射率と収量に一定の相関関係があることを確認するとともに、幼穂形成期におけるGI値(NDVI「植生指 標」を100倍した値)を基に穂肥を調整することでタンパク質含有率の増加を抑え、コスト削減となる施肥設計への利用の可能性を確認した。
b) ポイントクラウドを用いた農産物の品質評価手法では、選定した三次元センサを用いて、リンゴ等の果実の外観を自動撮影し、果 実1個の三次元情報を取得する自動撮影装置を試作した。
カテゴリ いちご きゅうり 傾斜地 コスト 栽培技術 市販化 施肥 トマト 防除 りんご ロボット ロボットトラクタ

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