北太平洋における気候変動の水域生態系への影響の把握

課題名 北太平洋における気候変動の水域生態系への影響の把握
課題番号 2002003401
研究機関名 水産総合研究センター
研究分担 水産総合研究センター 中央水産研究所 海洋生産部 変動機構研究室
水産総合研究センター 東北区水産研究所 混合域海洋環境部 海洋動態研究室
水産総合研究センター 西海区水産研究所 東シナ海海洋環境部 生物環境研究室
水産総合研究センター 中央水産研究所 海洋生産部 低次生産研究室
水産総合研究センター 中央水産研究所 生物生態部 生物生態研究室
水産総合研究センター 瀬戸内海区水産研究所 瀬戸内海海洋環境部 藻場干潟生産研究室
水産総合研究センター 北海道区水産研究所 海区水産業研究部 海区産業研究室
水産総合研究センター 東北区水産研究所 海区水産業研究部 資源培養研究室
水産総合研究センター 水産工学研究所 水産土木工学部 環境分析研究室
水産総合研究センター 中央水産研究所 黒潮研究部 生物生産研究室
水産総合研究センター 東北区水産研究所 混合域海洋環境部 生物環境研究室
水産総合研究センター 中央水産研究所 海洋生産部 物質循環研究室
研究期間 継続2001~2005
年度 2002
摘要 5、7、12、1月の計4回、東経138度線の北緯30-34度間で緯度30分ごとに低次生態系観測を実施した。また、黒潮と黒潮の内側及び外側域の3点で基礎生産力計測実験等を行った。CTD観測データをOcean Data View(ODV)で閲覧可能とした。親潮の絶対流量、親潮域へのオホーツク海水の流入及び溶存無機炭素の季節変動について明らかにした。親潮域のブルーミングの進行に伴う溶存有機炭素量の生産は新生産の6%程度であること、黒潮域のカイアシ類現存量の長期変動において、大型カイアシ類はENSOと、小型カイアシ類は水温と関連していることを明らかにした。また、数値実験により、混合域での水温上昇がサンマの成長に対する最も大きな阻害要因であることを明らかにした。25℃で飼育されたマダイの血中コルチゾル(F)濃度は15及び20℃のそれより高く、高水温飼育が高ストレスを与えること、及び密度依存的にストレスを受けて高水温でストレスのピークが低密度側にシフトすることを確認した。日間成長率と血中Fとの間には負の相関(Y=-0.013X+1.545, R2=0.411)が認められ、ストレスは成長に悪影響を与えることが示された。マダイの免疫機能測定系開発のため、イムノグロブリンMを分離・精製した。マイワシとカタクチイワシでは、咽頭径を指標とする捕食能力の成長様式に大きな差はなかった。また、変態期~稚魚期に捕食する餌料のサイズ及び種に違いはみられなかった。南西日本の磯焼け海域では、地先ごとの景観の多様性、高密度のウニ・巻貝類の生息、藻体に魚類の食み痕などが確認された。アイゴ類は、主に、春には瀬戸内海の伊予灘~広島湾を回遊し、秋には南下(越冬回遊)して豊後水道を通過し、冬には宮崎県南部(都井岬)に達することが明らかになった。北海道沿岸の類型別藻場面積、現存量、P/B比(生産量/現存量)から類型別藻場の年間炭素固定量を推定した。混合域・黒潮域の総藻場面積は既存データ(環境庁1994)の集計により、83,926haであることがわかった。海藻種ごとの現存量、P/B比、炭素含量から算出した混合域・黒潮域における年間炭素固定量は、約580,000 tonC/yであった。広島湾の海草・藻類の現存量(乾燥重量/m2)は、砂泥底のアマモ場で平均0.1kg、岩礁底のガラモ場で最大2.3kg、アラメ場で最大1.1kg、ワカメ場で最大0.5kg、テングサ場で最大0.6kg、アオサ・アオノリ場で0.3kg、その他で最大0.6kgであった。生産量と現存量の比を考慮し、炭素含有率30%とした瀬戸内海域の藻場における年間炭素固定量は186,259 tonC/yであった。日本沿岸全体では、ガラモ場の面積は85,682ha、その年間炭素固定量は709,447 tonC/yであった。これまでに作成したデータベース及び生物機能評価モデルを使い、我が国沿岸域及び汽水域に分布する有用貝類および養殖対象貝について、種類別・地域別の年間の炭素収支を解析し全国評価を行った。サンゴ類の酸分解および熱分解により骨格と組織の炭素成分を定量したところ、炭酸塩が全乾燥重量の92.3%を占め、無機炭素が同11.1%、有機炭素が同0.9%に相当することが明らかになった。以上の結果と既往知見から、わが国周辺における造礁サンゴ類の炭素現存量は171ktC、生産量は118.6ktC/y、無機生産の余剰分は1.7ktCに相当するものと推定した。海洋表層のCO2分圧と環境要因(水温、塩分、植物色素量等)の連続モニタリングシステムを用いて、親潮域から混合域における春・夏・秋・冬季の海洋表層のCO2分圧と環境要因の連続観測を定線上で行うとともに、これまでのデータを取りまとめた。海洋表層のCO2分圧と関連海洋環境の空間変動及び季節変動を解析し、海洋表層のCO2分圧と水温に夏季は正の相関、秋季・冬季には負の相関があることを見出した。また、1月と8月では、CO2分圧と表面水温及びクロロフィルとの関係について高い相関が得られたが、植物プランクトンの大増殖時期である5月での相関は高くなかった。
カテゴリ 乾燥 季節変動 データベース モニタリング

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