c.イネゲノム解析に基づく収量形成生理の解明と育種素材の開発

課題名 c.イネゲノム解析に基づく収量形成生理の解明と育種素材の開発
課題番号 200709541
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 農業・食品産業技術総合研究機構,作物研,稲収量性研究チーム
農業・食品産業技術総合研究機構,中央研,稲収量性研究チーム
農業・食品産業技術総合研究機構,東北研,稲収量性研究チーム
農業・食品産業技術総合研究機構,近農研,稲収量性研究チーム
協力分担関係 京都大学生存圏研究所
東北大学
東京大学
東京農工大学
京都府立大学
山梨県農総セ
研究期間 2006-2010
年度 2007
摘要 1)稲乳熟期の高温により、結合型デンプン合成酵素遺伝子(GBSSI)、デンプン枝作り酵素遺伝子(BEIIb)の低下に対応してアミロース含有率とアミロペクチンの長鎖部が増加し、これらの変化が高温による胚乳の白濁化に関係する可能性があることを示した。また、分げつ盛期から最高分げつ期の深水管理栽培は、有効茎歩合の増加ともみ当たりの出穂前の蓄積炭水化物の増加および登熟期の葉窒素状態の向上によって、白未熟粒割合を減少させることを示した。高温感受性の高い品種では、高温下で全頴花の粒重変動幅が相対的に狭まることによって、穎花間における同化産物の競合が顕著となり、その結果、白未熟粒の発生割合が高まると推察された。 穂温の品種間差異にはもみ当たりの蒸散速度が関係することを示した。 2)日本型品種「ササニシキ」とインド型品種「ハバタキ」の収穫指数の違いに関与する第6染色体上のQTLの原因遺伝子PRB1は、稲の穂の形態異常を引き起こす突然変異の原因遺伝子として報告されているAPO1(Ikeda et al. Plant J. 2007)と同一であることを明らかにした。PRB1(APO1)遺伝子は、ハバタキ型で一穂粒数、一次枝梗数等の穂の形態に加えて穂首大維管束数を増加させ、収穫指数と収量を増加させる。これは、維管束の形成促進により転流効率が高まるためと推察される。また「ササニシキ」に比較して高い「ハバタキ」のソース能に寄与している高い茎葉部非構造性炭水化物(NSC)蓄積・転流能と気孔伝導度に関与するQTL領域は、それぞれ第5染色体、および第11染色体上に座乗することを推定した。3)米の酸化処理による物性の変化に伴って生成する細胞壁結合フェルラ酸重合物の推定構造式を決定した。4)稲の16 種類のホスホリパーゼD(PLD)遺伝子のうちOsPLDβ1、OsPLDδ1 を抑制した稲はいもち病菌に対する抵抗性が高まることを示した。一方、OsPLDα4 を抑制した稲は罹病性が高まり、PLDの種類により抵抗性への影響は異なった。
カテゴリ 育種 いもち病 抵抗性 品種 水管理

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