そうか病抵抗性が“強”の生食用ばれいしょ新品種候補系統「北育7号」

タイトル そうか病抵抗性が“強”の生食用ばれいしょ新品種候補系統「北育7号」
担当機関 北見農業試験場
研究期間 1993~2003
研究担当者 入谷正樹
伊藤 武
村上紀夫
松永 浩
千田圭一
関口建二
大波正寿
池谷 聡
藤田涼平
吉田俊幸
兼平 修
発行年度 2003
要約 ばれいしょ「北育7号」は、中生の生食用系統である。そうか病抵抗性は“強”で、ジャガイモシストセンチュウ抵抗性を持つ。収量性は「男爵薯」よりも高い。また塊茎の目が浅く形がよい。煮崩れが少なく調理後黒変が少ない。肉色は白である。
キーワード ジャガイモ、そうか病、ジャガイモシストセンチュウ、生食用、煮崩れ
背景・ねらい そうか病は、塊茎の表面にあばた状の病斑が発生し外観品質が大きく低下して、特に生食用途で大きな問題となる土壌病害である。輪作による汚染低減効果が低く、有効な防除法も少ないため、一度発生した圃場では対策が困難である。
またばれいしょの最も重要な病害虫であるジャガイモシストセンチュウは、毎年少しずつ発生面積を増やしている。
これらの病害虫対策として中程度のそうか病抵抗性とジャガイモシストセンチュウ抵抗性を併せ持つ品種「スタークイーン」が育成されたが、多発圃場ではそうか病抵抗性が不十分であった。またそうか病抵抗性“ごく強”の品種「ユキラシャ」はジャガイモシストセンチュウ抵抗性を持っていない。
このような背景から、そうか病抵抗性が“強”でシストセンチュウ抵抗性を併せ持つ品種が求められてきた。
成果の内容・特徴
  1. 「北育7号」はそうか病に比較的強くジャガイモシストセンチュウ抵抗性の「アトランチック」を母、そうか病抵抗性品種「Cherokee」を父として人工交配し、選抜された系統である。
  2. そうか病抵抗性は「スタークイーン」よりも1段階高い“強”である(表2、表5)。
  3. ジャガイモシストセンチュウ抵抗性を持つ(表5)。
  4. 枯凋期は、「男爵薯」より20日程度遅く、「スタークイーン」より1週間程度早い中生である。収量は「男爵薯」より2割程度多収で、でん粉価は「男爵薯」よりも高い(表1)。
  5. 塊茎の目の深さは「男爵薯」の“深”にたいして“浅”、肉色は“白”である(表3)。
  6. 「男爵薯」より煮崩れが少なく、調理後黒変が少ない(表4)。
成果の活用面・留意点
  1. 北海道の生食用ばれいしょ栽培地帯(主としてそうか病発生地帯)に普及する。
  2. 褐色心腐および中心空洞の発生することがあるので、多肥や疎植を避け、培土に留意する。
  3. 亀の甲病類似症状が現れることがある。
平成15年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分「ばれいしょ新品種候補「北育7号」」(普及奨励)
図表1 209947-1.png
図表2 209947-2.png
図表3 209947-3.png
図表4 209947-4.png
図表5 209947-5.png
カテゴリ 病害虫 害虫 新品種 抵抗性 抵抗性品種 ばれいしょ 病害虫防除 品種 防除 輪作

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる
S