タイトル |
農作業快適化のためのファン付き作業服(空調服)改良技術 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター |
研究期間 |
2005~2007 |
研究担当者 |
小林恭
スパッタ(株)
(株)セフト研究所
関正裕
宮崎昌宏
玉城勝彦
長坂善禎
建石邦夫
齋藤秀文
相澤正樹(宮城県農業
園芸総合研究所)
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発行年度 |
2007 |
要約 |
空調服の生地を高密度マイクロファイバに替えチタンをスパッタ加工することにより、紫外線や赤外線を遮断し、日焼けや被服内の温度上昇を防ぎ冷却効果を向上させる。また、インナースペーサの着用により風路が確保され、刈払機などの作業にも適する。
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キーワード |
温熱環境、作業改善、空調服、スパッタ加工、チタン
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背景・ねらい |
炎天下や園芸施設内など高温環境下における農作業改善のため、紫外線や赤外線をカットし、健康障害の発生を防止するとともに、作業衣に装着した小型ファンによって、衣服内に空気を吹き込み、汗の気化熱で身体を冷却する空調服を組み合わせた快適な農作業ウエアを開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 農業用空調服(図1)は、生地を標準のナイロン繊維から高密度マイクロファイバ繊維に替え、裏面に金属チタンをスパッタ加工した上着(質量:290g)、送風用ファン(質量:96g×2)、ファン駆動用電池・制御ボックス(質量:150g)、オプションのインナースペーサ(質量:190g)、フィルタで構成されている。
- マイクロファイバ生地にチタン加工した上着は、紫外線、赤外線の遮断効果に優れるため(図2)、屋外での日焼け防止や被服内の温度上昇を低減し、空調服の冷却効果を高めることができる(図3)。
- スパッタ加工で生地に使用するチタンは0.2g/m2と極少量で、メッキ、接着やコーティングと異なり、繊維の表面に原子レベルで薄膜を形成するため、生地の風合いを損なうことがない。また、生地との密着性がよいため、洗濯に対する耐久性も優れている。JISに準拠した洗濯試験の結果、30回洗濯後もほとんど劣化は見られない。
- 刈払機の肩掛けベルトなどで衣服内の気流が遮断される場合は、オプションの三次元構造を有するインナースペーサ(図4)を空調服の内側に着用することで気流を確保できる(図4右)。
- 葉や茎などが繁茂している場所での作業には、フィルタをファンの外側に装着し、巻き込みを防止する(図1右)。また、着座した状態で作業を行う場合には、右側のファンを前方に移動させたトラクタ、フォークリフト仕様の空調服を着用すると、ファンが背もたれに当たらず快適に作業を行うことができる。
- 駆動電源としてリチウムポリマー電池を用いると、6.5時間連続使用可能である。単3形充電式ニッケル水素4本の場合は、約5時間連続使用可能である。
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成果の活用面・留意点 |
- 高温環境下でも長袖の着用が必要な農業現場で作業改善に活用できる。
- 外気を導入する必要があるため薬剤散布作業には使用できない。
- 高湿で体温より高い温熱環境での作業は避けると共に、高温環境下では、適切な水分補給と休憩に留意する必要がある。
- 農業用空調服は平成19年に(株)空調服からインターネットを通じ試験販売(14,700円)され、平成20年度から市販の予定である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
加工
薬剤
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