タイトル |
酒造米用水稲新品種候補系統「空育158号」 |
担当機関 |
北海道立中央農業試験場 |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
丹野久
吉村徹
本間昭
前田博
田縁勝洋
相川宗嚴
田中一生
佐々木忠雄
太田早苗
沼尾吉則
佐々木一男
和田定
鴻坂扶美子
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発行年度 |
1999 |
要約 |
水稲「空育158号」は寒地では中生の大粒系統であり、玄米に酒造好適米特有の心白を発現し、酒造適性が高い。
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背景・ねらい |
北海道にはこれまで心白を多く発現する酒造好適米品種がなかった。しかし、近年の地酒ブームの中で「道産原料を用いた本格的地酒」の生産のため酒造好適米品種が求められている。また、道産一般米の一部は酒造用として道内外に販売されており北海道産米の販路の拡大のためにも酒造適性の高い品種が望まれていた。
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成果の内容・特徴 |
- 水稲「空育158号」は八反錦2号/上育404号//きらら397の組合せから選抜された酒造用粳系統である。
- 出穂の早晩は「きらら397」や「初雫」と同じ中生の早である。
- 稈長は両品種並みで、穂長は「初雫」より長く「きらら397」並みで、草型は“中間型”である。
- 耐冷性は両品種に劣る“やや強”である。いもち病の真性抵抗性遺伝子型は“Pii、Pik”で、圃場抵抗性は両品種に優り、葉いもちが“強”、穂いもちが“やや強”である。耐倒伏性は“やや強~強”である。
- 収量性は「きらら397」や「初雫」並みである。
- 玄米に心白を多く発現し、千粒重は「きらら397」より重く、「初雫」並みの“やや大粒”である。
- 白米の蛋白含有率は両品種よりやや高く、カリ含有率は「初雫」より低く「きらら397」並みである。
- 白米の吸水速度が速く、消化性が良い。また、酒母やもろみにおける溶解性が良く蒸米や製麹作業性が良好であり、製成酒の官能試験結果も同等か、やや優る。
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成果の活用面・留意点 |
- 留萌南部、上川中央部、空知中北部の低タンパク米安定生産が可能な良地帯およびそれに準じる良地帯に、500ヘクタールの普及が見込まれる。
- 耐冷性が劣るので幼穂形成期以降から冷害危険期まで深水潅漑を励行する。
- 多窒素栽培は不稔発生を助長し、酒造用原料としての品質を低下させるのでさける。
- 初期分けつの発生が劣るので栽培基準の栽植密度を守り、また、側条施肥などの初期生育を促進する栽培法を心がける。
平成11年度北海道農業試験会議成績会議における課題名及び区分 課題名:水稲新品種候補系統「空育158号」(普及奨励)
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
いもち病
寒地
酒造好適米
新品種
水稲
施肥
抵抗性
抵抗性遺伝子
凍害
品種
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