製粉性とめんの食感が優れる早生多収小麦新品種「ふくほのか」

タイトル 製粉性とめんの食感が優れる早生多収小麦新品種「ふくほのか」
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 近畿中国四国農業研究センター
研究期間 1990~2005
研究担当者 石川直幸
高田兼則
谷中美貴子
長嶺 敬
髙山敏之
田谷省三
甲斐由美
谷尾昌彦
佐藤淳一
発行年度 2005
要約 小麦「ふくほのか」は成熟期が「シロガネコムギ」と同程度の早生種で、赤さび病と穂発芽に強く、多収である。製粉歩留とミリングスコアが高く、製粉性が優れる。小麦粉のアミロース含有率がやや低く、ゆでめんの食感(粘弾性)が優れる。兵庫県で普及が見込まれる。
キーワード コムギ、新品種、多収、製粉性、早生、食感、粘弾性
背景・ねらい 近畿中国四国地域でこれまで栽培されてきた「農林61号」、「シロガネコムギ」、「シラサギコムギ」はいずれもめんの食感や製粉性が不十分であり、また「農林61号」は成熟期が遅く、「シロガネコムギ」と「シラサギコムギ」は収量性が低い等の欠点があり、改善が求められている。そこで、早生・多収で製粉性とめんの食感が優れる日本めん用品種の育成を行う。
成果の内容・特徴
  1. 「ふくほのか」(旧系統名:中国151号)は、1991年春に中国農試(現近中四農研)において(西海168号/中系5358)のF1×(関東107号/中系5385)のF1の交配を行い、派生系統育種法で育成された。2004年度(播種)の世代はF14である。
  2. 成熟期が「農林61号」より3日早く、「シロガネコムギ」と同程度の早生種である(表1)。
  3. 赤さび病(近畿中国地域のレース)に強く、うどんこ病に弱い。赤かび病抵抗性は「農林61号」並の“中”、穂発芽性は「農林61号」並の“難”で「シラサギコムギ」や「シロガネコムギ」より強い(表1)。
  4. 収量は「シラサギコムギ」、「シロガネコムギ」より10~14%多く、「農林61号」より4%程度多い(表1)。
  5. 製粉歩留とミリングスコアが高く、製粉性が優れる。(表1)。
  6. 粉およびめんの色は「シラサギコムギ」や「農林61号」と同程度である(表1)。
  7. アミロース含有率はやや低く、めんの食感(粘弾性)が優れる(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 温暖地以西の麦作地帯に適し、兵庫県で普及が見込まれる。
  2. 多収でタンパク質含有率が低くなりがちなため、用途に適したタンパク質含有率になるよう、必要に応じて実肥を施す。出穂10日後に実肥として窒素を2.5kg/10a施すと、タンパク質含有率が約1%向上する。
図表1 220004-1.gif
カテゴリ 育種 うどんこ病 小麦 新品種 抵抗性 播種 品種

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