タイトル | 有機性廃棄物の施用に伴うカドミウムの農地負荷量と作物中カドミウム濃度への影響 |
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研究担当者 |
乙部裕一 柿内俊輔(熊本県農研セ) 古館明洋(北海道立上川農試天北支場) 細淵幸雄(北海道立道南農試) 松本武彦(北海道立中央農試) 食品産業技術総合研究機構) 箭田(蕪木)佐衣子 中本洋 土壌環境研究領域 川崎晃 物質循環研究領域 三島慎一郎 |
発行年度 | 2007 |
要約 | 有機性廃棄物の施用により畑地に持ち込まれるカドミウム量(北海道では平均2.7g/ha)は、収穫等で畑地から持ち出されるカドミウム量より多いが、有機性廃棄物を5年間連用した農地でも作物中のカドミウム濃度は増加しませんでした。 |
背景・ねらい | 家畜排泄物等の有機性廃棄物を肥料として利用することは、有機農業の促進、循環型社会の形成に寄与します。しかし、有機性廃棄物を利用するには、それらに含まれている有害物質、特にカドミウムの農地土壌への蓄積、さらには作物中のカドミウム濃度への影響を調べておく必要があります。そこで、有機性廃棄物中のカドミウム濃度と農地還元量から推定されるカドミウムの負荷量、施用土壌における作物中のカドミウム濃度について調べました。 |
成果の内容・特徴 | 水産系廃棄物のうち、ホタテ中腸腺やイカ肝臓を原料とする堆肥のカドミウム濃度は、下水汚泥堆肥や家畜ふん堆肥より高い場合がありました(図1)。 北海道において、有機性廃棄物の施用に伴うカドミウムの農地負荷量は年間3200kg程度であり、道内の農地に均等に負荷されたとすると年間2.7g/haと推定されました(図2)。畜産の盛んな熊本県において、家畜ふん堆肥の施用によるカドミウムの農地負荷量は県内平均で年間1g/haと推定されました。農地負荷量から推定される土壌Cd濃度の変化量は、作土15cm(仮比重1、1haあたり1500t)とすると0.7~1.8μg/kgであり、土壌のCd濃度より顕著に小さいことがわかりました。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 有機農業 有機栽培 肥料 |