タイトル | 稲発酵粗飼料向き水稲新品種「クサホナミ」 |
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担当機関 | 稲育種研究室 |
研究期間 | 1994~2001 |
研究担当者 |
根本博 井辺時雄 出田収 平林秀介 佐藤宏之 太田久稔 坂井真 堀末登 安東郁男 高舘正男 平澤秀雄 田村和彦 青木法明 中川宣興 石井卓朗 飯田修一 前田英郎 |
発行年度 | 2001 |
要約 | 「クサホナミ」は温暖地東部での熟期が極晩生で、長稈、極穂重型の粳種である。茎葉と籾を合わせた全重収量が高く、輸入チモシー乾草並の飼料品質を持つ稲発酵粗飼料向き水稲新品種である。 |
キーワード | 水稲、新品種、飼料イネ、クサホナミ、稲発酵粗飼料 |
背景・ねらい | 自給率の向上と水田の有効利用を図るため、水稲を転作作物として作付けし、稲発酵粗飼料(ホールクロップサイレージ)として利用する栽培法がある。こうした用途に適する品種として「はまさり」、「ホシユタカ」などが育成されてきたが、より全重収量が高く、高度の耐倒伏性や耐病性を備えた品種への要望が強い。そこで、新たにホールクロップサイレージ用品種を育成し、関東以西の栽培地帯に普及を図る。 |
成果の内容・特徴 | 1. クサホナミ」は「アケノホシ」を母、「中国113号」を父とする交配の雑種後代から、高乾物生産性と耐病性を備えたホールクロップサイレージ用品種の育成を目標に近畿中国四国農業研究センターと作物研究所で育成された品種である(表1)。 2. 出穂期、成熟期は「日本晴」より10日程度遅く、熟期は“極晩生”に属する粳種である。「日本晴」に比べて稈長は約5cm長く、穂長もやや長く、穂数は少ない。密粒で、草型は“極穂重型”である。茎葉と籾を含めた全重収量は「日本晴」より約20%多く、玄米収量は約30%多い。穂発芽性は“やや易”である。耐倒伏性は“強”で直播栽培にも適している(表1)。葉身および籾表面に毛がない無毛性である。 3. いもち病抵抗性の真性遺伝子型及び圃場抵抗性の程度は不明であるが、現在では発病は認められない。縞葉枯病には抵抗性、白葉枯病には“やや強”である(表1)。 4. 「クサホナミ」は産乳成績も良く、ホールクロップサイレージとしての品質は輸入チモシー乾草並である(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. ホールクロップサイレージ用として利用する。 2. いもち病抵抗性遺伝子型が不明で、圃場抵抗性の評価が不明であるため、抵抗性の変化に注意する必要がある。 3. 耐倒伏性は通常品種より優れているが、極端な多肥栽培では倒伏する危険性がある。 4. サイレージの品質を高めるために、黄熟期前後に収穫する必要がある。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
カテゴリ | いもち病 直播栽培 縞葉枯病 新品種 水田 水稲 抵抗性 抵抗性遺伝子 品種 |