早生で縞萎縮病および穂発芽に強い麺用硬質小麦新品種「あおばの恋」

タイトル 早生で縞萎縮病および穂発芽に強い麺用硬質小麦新品種「あおばの恋」
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 作物研究所
研究期間 1990~2007
研究担当者 乙部千雅子
関昌子
松中仁
藤田雅也
吉岡藤治
柳沢貴司
吉田久
山口勲夫
牛山智彦
天野洋一
瀬古秀文
発行年度 2007
要約 小麦「あおばの恋」は早生で縞萎縮病および穂発芽に強い。硬質で製粉歩留が高く、やや低アミロース含量で麺の食感が優れる。
キーワード コムギ、硬質、麺用、縞萎縮病、穂発芽、早生
背景・ねらい 国産小麦の主な用途は麺用(うどん用)であるが、実需者からは加工適性のより優れた品種、生産者からは栽培性のより優れた品種を求める声が強い。宮城県でも麺用小麦の主力品種「シラネコムギ」について、麺への加工適性が不十分であること、成熟期が遅いため晩播大豆との作付体系が困難であること、縞萎縮病に罹病性のためその常発地帯では作付けが難しいことが指摘されている。そこで、製麺性が優れ早生で縞萎縮病抵抗性をもつ、南東北の気候に適した品種を育成する。
成果の内容・特徴 小麦「あおばの恋」は1990年度に、良質・良色相を育種目標として、「関東105号」と「Veery'S'」のF1を母、「西海171号」(のちの「チクゴイズミ」)を父として人工交配を行い、以後、集団育種法により選抜・固定を図ってきたものである。2006年度における世代は雑種第17代(F17)である。

「農林61号」と比較して次のような特徴がある。(表1)
  1. 播性程度はⅡで、出穂期、成熟期がともに4日程度早い。
  2. 褐ぷで稈長は短く、穂長と穂数は同程度である。耐倒伏性はやや優れる。
  3. 収量性は高く、容積重と千粒重は大きい。
  4. 縞萎縮病と穂発芽には強く、うどんこ病と赤かび病にはやや弱い。
  5. 硬質で製粉歩留が高く、60%粉の色はやや劣る。
  6. やや低アミロース含量で茹で麺の粘弾性が優れ、茹で麺の色は同程度だが総合評点は優る。
成果の活用面・留意点
  1. 南東北及び関東以西の平坦地に適するめん用小麦である。
  2. 宮城県での普及が見込まれる。
  3. 穂発芽性は“かなり難”であるが、刈り遅れによる品質低下を避けるため適期収穫に努める。
  4. うどんこ病抵抗性および赤かび病抵抗性は“やや弱”であるので、適期防除に努める。
図表1 226661-1.gif
図表2 226661-2.gif
カテゴリ 病害虫 育種 萎縮病 うどんこ病 加工適性 小麦 新品種 大豆 抵抗性 品種 防除

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