水稲品種「コシヒカリ」の良食味性に関与する第3および第6染色体上のQTL

タイトル 水稲品種「コシヒカリ」の良食味性に関与する第3および第6染色体上のQTL
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 作物研究所
研究期間 2004~2008
研究担当者 安東郁男
井辺時雄(九州研)
加藤 浩
根本 博
佐藤宏之
石井卓郎
前田英郎
太田久稔
大坪研一(新潟大)
竹内善信
竹本陽子
平林秀介
堀 清純(生物研)
野々上慈徳(STAFF研)
矢野昌裕(生物研)
鈴木啓太郎(食総研)
発行年度 2008
要約 「コシヒカリ」の持つ良食味性を支配するQTLが第3染色体短腕および第6染色体上の2領域に検出され、そのうちの特に第3染色体のQTLは作用力が大きい。
キーワード 食味、QTL(quantitative trait locus)、戻し交雑自殖系統群(backcross inbred lines:BILs)、染色体断片置換系統(chromosome segment substitution line:CSSL)、イネ
背景・ねらい 炊飯米の食味は最も重要な形質の一つであり、育種における選抜にあたっては今日でも食味官能試験が最も確実であるが、試験には多くの時間と労力が必要である。そこで母本として広く用いられている良食味品種「コシヒカリ」の持つ良食味遺伝子について遺伝解析を行い、DNAマーカーによる効率的な選抜技術の開発を行う。
成果の内容・特徴
  1. 米飯の食味官能試験(光沢、うま味、粘り、硬さおよび総合評価値の5項目)によって評価される「日本晴」に対する「コシヒカリ」の良食味性を支配する遺伝子座が第3染色体短腕と第6染色体の2領域に見出され、食味を下げる遺伝子座が第3染色体長腕と第11染色体の2領域に存在する(図1)。
  2. 良食味性を支配する遺伝子座のうち、第3染色体短腕のQTLは、作用力が大きく(寄与率:約20%)、第6染色体のQTLは、作用力が小さい(寄与率:約10%)。
  3. 第3染色体短腕のQTL領域を持つ染色体断片置換系統は、「日本晴」と「コシヒカリ」の食味総合値のほぼ中間の値を示す(図2)。
  4. 第3染色体短腕および第6染色体上のQTLは、アミロース含有率には関与していない(データ省略)。
成果の活用面・留意点
  1. 作用力の大きな第3染色体短腕上のQTLは、「コシヒカリ」の良食味遺伝子解明の手がかりとなる。
  2. このQTL情報は、「コシヒカリ」を供与親とした育種材料の食味をDNAマーカー選抜するために利用できる。
図表1 226686-1.gif
図表2 226686-2.gif
図表3 226686-3.gif
図表4 226686-4.gif
カテゴリ 育種 水稲 DNAマーカー 品種 良食味

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