2004年の強風被害事例を踏まえた温室の強風対策技術

タイトル 2004年の強風被害事例を踏まえた温室の強風対策技術
担当機関 (独)農業工学研究所
研究期間 2004~2005
研究担当者 森山英樹
佐瀬勘紀
奥島里美
石井雅久
発行年度 2005
要約 2004年の強風により被災した温室の現地調査結果をもとに、防風ネット背後の温室構造、防風ネット支柱および温室基礎に関する数値解析を行った。温室棟高よりも低い防風ネットは、風圧力減少効果を著しく失う可能性がある。また、温室および防風ネット支柱基礎の引き抜き抵抗の増加が強風対策として重要である。
キーワード
2004年の強風、温室、強風対策
背景・ねらい 2004年には、例年を大きく上回る10個の台風が上陸した。また、低気圧の通過に伴う季節はずれの強風が発生した。これらの強風のため、多くの温室が倒壊などの被害を受けた。今後の強風対策に資するために、台風16号および12月の強風によって被災した温室に関して調査・解析し、被災原因の推定と耐風技術を検討した。
成果の内容・特徴
  1. 高さ2mの防風ネットが設置されていたにもかかわらず、強風により屋根部が陥没したパイプハウス(間口6.2m、棟高3m)について検討した。防風ネットの防災効果を調べるために、防風ネットの高さまで風圧力をキャンセルさせた風力係数を仮定(図1)し、パイプハウスに関する骨組構造解析を行った。設計風速は、観測された最大瞬間風速39m/sとした。解析の結果、防風ネットの有無にかかわらず、骨組に生じる抵抗モーメントに大きな差は生じなかった。パイプハウス屋根部が風に露出される場合は、防風ネットの風圧力減少効果が小さいことが考えられる。
  2. 高さ3m、支柱の打込み深さ1mの控え柱型防風ネットが支柱ごと風によって引き抜かれたために、パイプハウスが被災した事例(図2)について検討した。防風ネットの支柱1本あたりの引抜き耐力と、観測された最大瞬間風速39m/sによって生じる引抜き力を比較した。引抜き耐力1.7kNに対して、2.2kNの引抜き力が生じた。控え柱が設置された防風ネット支柱は、強風によって垂直方向に引き抜かれる可能性があるため、支柱の引き抜きに抵抗可能な基礎が有効であることがわかった。
  3. 完全に基礎が引き抜かれた鉄骨補強パイプハウスを調査した。この被災温室に隣接していた同構造の温室は、全く被害を受けていなかった。両温室の構造上の差異は、基礎の埋設深であった(図3)。被災温室基礎の引抜き耐力(安全率を含む)は2.5kNであり、非被災温室3.1kNの80%であった。基礎の引き抜き耐力不足によって被災が生じたと考えられる。
成果の活用面・留意点 防災のための要件を充分に満たす防風ネット高さおよび基礎の埋設深は明確になっていないため、今後、詳細な研究が必要である。
図表1 228065-1.gif
図表2 228065-2.gif
図表3 228065-3.gif
カテゴリ

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる