小規模土地改良区でも導入できる水利施設管理台帳システム

タイトル 小規模土地改良区でも導入できる水利施設管理台帳システム
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 農村工学研究部門
研究期間 2014~2016
研究担当者 遠藤和子
大塚芳嵩
國光洋二
唐崎卓也
上田達己
発行年度 2016
要約 専用アプリiVIMSを用いれば、施設を日常管理する上で気になる箇所を写真、音声、メモとして記録することができ、GISソフトVIMSに水利施設管理台帳として整理することにより記録された情報を日常管理に活かすことができる。
キーワード iVIMS、VIMS、水利施設管理台帳、日常管理
背景・ねらい 受益面積が数百ha程度の小規模土地改良区は全土地改良区の7割を占めているにも関わらず、常勤職員1名~2名程度で運営されていることが多く施設の管理に関する情報を次世代に継承することが困難になっている。そこで、施設管理に熟練した職員が引退後も施設の維持管理をスムーズに行えるように、施設管理情報を誰でもが簡単に記録、整理することができるプログラム(水利施設管理台帳)を既存ソフト(VIMS)にアドオン開発し、データの入力、整理、活用方法を一連のシステムとして提示する。
成果の内容・特徴
  1. 本システムは、入力アプリiVIMSをインストールしたモバイル機器、基本のGISソフトVIMSを搭載するPC、そしてVIMSにアドオンされた水利施設管理台帳ツールで構成される(図1、図2、図3)。
  2. iVIMSは、対象とする施設の状況を位置情報付きの写真や音声、またはメモとして記録することができ、主題図の中にアイコン表示される。記録したデータは、メール送信することによりPC上のVIMSに同期され水利施設管理台帳とリンクして整理することができる。一方、水利施設管理台帳に整理したデータベースはPCからモバイル機器にコピーすることができ、現場での追記や確認に活用できる(図2)。
  3. 水利施設管理台帳には、iVIMSで記録した位置情報付きデータに加え、他の機器で作成した位置情報のない写真や図面をも取り込むことができるほか、施設の諸元、管理方法については検索可能な形式で直接入力する。また、日常管理における見回り点検記録を日誌風に追記していくことができ、点検結果を色別(青、黄、赤)に表示させることにより情報の重要度を示すことができる(図3)。さらに、台帳に記録された情報をMicrosoftR ExcelRに出力することにより紙ベースの資料作成に用いることができる。
  4. 整理されたデータベースは、例えば、荒天時の施設操作方法の確認や、日常記録の閲覧に用いることができ、職員の世代交代に際し活用が期待される。
  5. 実証試験を行っている土地改良区では、施設の記録と整備を始めたところ、記録という行為が施設管理上の問題点を顕在化させたり、地図上での把握が他データとの連携を想起させたりした結果、施設管理(管理水位)の見直しに着手している。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象: 受益面積数百ha程度の土地改良区や都道府県の水土里ネット
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等: 当面、システムの実証試験を先行的に行っている地区を中心に50セット
  3. その他: システムの設定方法には、サーバにデータを格納し複数PCでアクセスして利用するクライアントサーバ型と、1台のPCにデータとサーバを搭載する単独型がある。単独型であれば5万円程度でソフトをそろえることができ、小規模土地改良区や多面的機能支払い地区の資源向上を図る共同活動でも導入可能な価格となっている。ただし、PCおよびモバイル機器などのハードは別途準備する必要がある。販売およびサポート(有償)はシステムの開発元が行う。

注) MicrosoftR、ExcelR は、米国 Microsoft Corporation の、米国およびその他の国における登録商標または商標である。
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/nire/2016/16_054.html
カテゴリ データベース 水管理

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