大区画水田におけるGNSS自動操舵及びガイダンスの利用効果

タイトル 大区画水田におけるGNSS自動操舵及びガイダンスの利用効果
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター
研究期間 2012~2017
研究担当者 長坂善禎
冠秀昭
齋藤秀文
関矢博幸
中山壮一
松波寿典
篠遠善哉
大谷隆二
発行年度 2017
要約 プラウ耕・グレーンドリル水稲乾田直播体系の各作業を、GNSS自動操舵を利用することで、RMSで0.03m程度の精度で行うことが可能である。またガイダンスを利用することで目標を設置することなく0.2~0.3m程度の精度での作業が可能である。
キーワード 大区画水田、GNSS、自動操舵、ガイダンス
背景・ねらい 東日本大震災からの復興にあたり、仙台平野では2haを越える大区画水田が整備されつつある。大区画水田ではオペレータひとりあたりの作業面積を拡大するための大型トラクタを使用したプラウ耕・グレーンドリル水稲乾田直播等の播種体系が普及しているが、高速、高精度な作業が必要なことから、作業面積が大きくなればオペレータの負担も大きくなる。その省力化の手段として水稲乾田直播、麦、大豆の2年3作体系の作業にGNSS(Global Navigation Satellite System、全球測位衛星システム)を利用した自動操舵及びガイダンス(作業経路表示)を導入する場合の精度及び効果について明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. RTKGNSS(リアルタイムキネマティックGNSS)を利用した自動操舵装置を大型トラクタに取り付けて作業に使用することで、プラウ耕・グレーンドリル乾田直播体系の、スタブルカルチによる耕起、パワーハローによる砕土及び播種床造成、グレーンドリルによる播種、ケンブリッジローラによる鎮圧の各作業を安定して高精度に実施できる(表1)。例えば播種作業では速度10km/hで、RMS(Root Mean Square,二乗平均平方根)で目標経路からの偏差0.03m程度で作業でき、耕起等の他の作業についても同程度の偏差で作業できる(図1)。このためオペレータは作業状況の監視に注力できる。また作業途中でオペレータが交代しても作業精度には差が生じない。
  2. 大豆播種では耕起後に整地・播種同時作業を行う際、土塊が大きくマーカー跡がつきにくい場合がある。そのような作業経路の視認が難しい場合でも本装置を用いることで水稲乾田直播と同等の偏差での作業が可能である。また麦播種作業においても本装置により、マーカー跡の見えない日没後でも高精度な播種作業が可能となる(図2)。
  3. 除草剤散布等ではガイダンスが使用されるが、非熟練者と熟練者が乗用管理機を運転する際の軌跡を比較すると、目標経路からの横方向の偏差は、目標なしでは非熟練者と熟練者の差が大きい。GNSSガイダンス利用時は差が小さくなるが目標設置時より差が大きい(表2)。ガイダンス利用では自動操舵ほど高精度ではないが、オペレータによる作業精度の差を小さくすることができる。
成果の活用面・留意点
  1. 大区画水田での乾田直播を含む水田輪作での耕起から除草剤散布までの作業の省力化、高精度化に有効である。
  2. 枕地での旋回は手動であり、前後進を繰り返して次の作業行程に進入するには時間を要する。
  3. 直線作業する距離が長いほど自動操舵による作業の高精度化、省力化の効果は高くなる。
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/tarc/2017/tarc17_s04.html
カテゴリ 病害虫 乾田直播 省力化 除草剤 水田 水稲 大豆 播種 輪作

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