北海道を除く全国の水稲高温登熟性標準品種の選定

タイトル 北海道を除く全国の水稲高温登熟性標準品種の選定
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 次世代作物開発研究センター
研究期間 2016~2017
研究担当者 佐藤宏之
石井卓朗
太田久稔
前田英郎
出田収
竹内善信
梶亮太
長岡一朗
平林秀介
重宗明子
田村克徳
発行年度 2017
要約 水稲の主要品種の高温登熟性を調査分類し、地域区分及び生態型ごとに高温登熟性の標準品種を選定。新品種候補系統を登録出願する際の標準品種に活用できる。
キーワード 水稲、白未熟粒、高温登熟性、標準品種、出願品種審査
背景・ねらい 地球温暖化の進行に伴い、水稲の生産現場では、高温による白未熟米発生に伴う玄米品質低下、いわゆる高温登熟性が問題となっている。これまで高温登熟耐性品種として、「笑みの絆」及び「おてんとそだち」等が育成されているが、今後も高温登熟耐性品種が次々育成されるものと予想される。このような情勢の中、農林水産省の委託により、農研機構は、現在高温登熟性が問題となっていない北海道を除く全国の主要な水稲既存品種の高温登熟性を調査分類し、出願品種審査に必要な標準品種を選定する。
成果の内容・特徴
  1. 寒冷地北部・中部、寒冷地南部、温暖地東部、温暖地西部及び暖地の地域区分にそれぞれ属する農研機構の5つの研究所(東北農研、中央農研、作物開発セ、西日本農研及び九沖農研)において、早植え、ガラス温室及びビニール被覆処理等の高温遭遇処理を複数年次行い、玄米外観品質を達観及び穀粒判別器で調査したデータを用いている(表1)。
  2. 表2は、各地域区分の極早生・早生、中生及び晩生・極晩生の各熟期区分に対応した延べ67品種・系統の高温登熟性を"強"~"弱"の5段階で示している。
  3. "強"あるいは"やや強"と判定された品種には、各地域で育成された高温登熟耐性品種:「ふさおとめ」、「笑みの絆」、「なつほのか」、「おてんとそだち」、「ハナエチゼン」、「つや姫」及び「とちぎの星」が含まれる(表2)。
  4. 我が国の作付け上位品種である「コシヒカリ」、「あきたこまち」、「ひとめぼれ」及び「はえぬき」の高温登熟性は、ほぼ"中"に分類される(表2)。
  5. 高温登熟性が"弱"の品種には、暖地で品質低下が問題となっている「ヒノヒカリ」の他、「初星」及び「彩のかがやき」等が分類される(表2)。
  6. 各階級に所属する品種・系統の白未熟粒発生割合(%)には、差が認められ、"強"から"弱"に従って白未熟米発生割合が高くなる傾向が認められる(表3)。
  7. 本研究は,農林水産省委託事業「平成28年度種苗特性分類調査(稲種)」により行っており、表2に示した高温登熟性標準品種は、種苗法(平成10年法律第83号)に基づく品種登録の審査の実施に当たり、審査上の基礎資料として用いられる。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:水稲の品種登録出願に関心のある公設試、企業、農業生産法人
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:寒冷地以南の水稲作付け面積136万ha(平成29年)に、高温登熟耐性品種として今後作付けされる出願品種の審査基準となる。
  3. その他:標準品種は農林水産省ホームページにて公開。http://www.hinshu2.maff.go.jp/info/sinsakijun/kijun/1440.pdf(2018年3月)
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/popular/result010/2017/17_038.html
カテゴリ 高温登熟耐性品種 新品種 水稲 品種

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