b.めん用小麦品種の育成と品質安定化技術の開発

課題名 b.めん用小麦品種の育成と品質安定化技術の開発
課題番号 2008010646
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 (独)農業・食品産業技術総合研究機構,作物研,めん用小麦研究チーム
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,東北研,めん用小麦研究東北サブチーム
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,近農研,めん用小麦研究近中四サブチーム
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,九州研,めん用小麦研究チーム
協力分担関係 (株)日本製粉中央研究所
東京大学
京都大学大学院
帯広畜産大学
研究期間 2006-2010
年度 2008
摘要 小麦の色相に及ぼす要因を解明するため、1)小型測色シャーレを使用して1gの小麦粉で測色する方法は、育種の選抜試験などで系統間の相対比較に利用できる可能性を示した。2)胚乳における鉄含量はくすみの主要因ではないことを19年度に引き続き確認した。3)粉色に多様性を持つ131の品種・系統について、288のSSRマーカーを用いて多型調査を行い、その30%が有効に使える可能性を明らかにした。 製粉性を支配する成分の簡易評価技術を開発するため、1)種皮細胞壁の主要成分であるアラビノキシランの微量簡易測定により、製粉性を簡易に評価できる可能性を明らかにした。2)軟質小麦と硬質小麦では、でん粉顆粒表層のグリセロ糖脂質(MGDG、DGDG)含量に大きな差異があり、でん粉顆粒表層たんぱく質ピュロインドリン(PIN)はグリセロ糖脂質との結合を介してでん粉に吸着する可能性を示唆した。ふすまの高付加価値化に向けて、ふすま内在性の酸性プロテアーゼおよびセリンプロテアーゼがふすまからのアンギオテンシン変換酵素(ACE)活性阻害ペプチドの生成に寄与することを明らかにした。 主要産地向けのめん用小麦品種を育成するため、1)19年度に品種登録を出願した「あおばの恋」(育成地の成熟期で「農林61号」より4日早生)が宮城県の奨励品種に採用されたことから、農林認定を申請した。2)関東以西の平坦地向けに、そうめんに適し、製粉性(篩抜け性)の優れるやや低アミロースの早生(育成地の成熟期で「農林61号」より4日早生)・硬質系統「ふくはるか」を品種登録出願した。また、極早生の日本めん用系統「中国159号」を選抜した。3)通常アミロースで製めん適性の優れる「西海193号」を新配付系統とした。4)甘味種小麦を含む新規小麦系統を開発するため、東北地方向けには「盛系D-B004」を、関東地方向けには「バンドウワセ」を、九州地方向けには「シロガネコムギ」をそれぞれ戻し親として用い、マーカーによる選抜を行いつつ戻し交配種子を得た。5)小麦の実用的マーカーを作製するため、約500個の遺伝子の座乗位置が確認できるPLUGマーカーを開発した。 耐湿性機構を解明するため、1)農家の不耕起栽培ほ場など多くの水田ほ場で湿害が広範に発生していることを明らかにした。 極難穂発芽系統や穂発芽難品種を開発するため、1)穂発芽性が難、製粉歩留がやや高~高で、粉およびめんの色相の良い「盛系C-B4015」と「盛系D-B005a」を選抜した。2)成熟期にサンプリングした後、室温で4週間後熟させた材料を15℃で検定することで穂発芽極難系統を選抜できる評価・選抜法を開発し、穂発芽抵抗性極難の「谷系小H4040」と「谷系小H4050」を選抜した。3)既存の種子休眠性関連QTLによるマーカー選抜は、休眠性の低い品種・系統間の交配組合せにおいては有効な選抜手段となることを明らかにした。
カテゴリ 育種 簡易測定 高付加価値 小麦 湿害 水田 耐湿性 抵抗性 評価法 品種 不耕起栽培

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