課題名 | f.発酵TMR利用のための大規模生産・調製・流通・給与技術の開発 |
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課題番号 | 2009013855 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,畜草研,飼料調製給与研究チーム |
協力分担関係 |
新明和工業株式会社 埼玉県農林総合研究センター 岐阜県畜産研究所 広島県立畜産技術センター 新潟県農業総合研究所 三重県科学技術振興センター 大阪府食とみどりの総合技術センター 徳島県農林総合技術支援センター 愛媛県畜産試験場 京都大学 |
研究期間 | 2006-2010 |
年度 | 2009 |
摘要 | 1)サイレージ発酵用として、Listeria、Staphylococcusなどのグラム陽性菌や、Salmonella、Pseudomonasなどのグラム陰性菌に対し広い抗菌スペクトルを示す乳酸菌Enterococcus faecium NAS62株を発見し、それが生産する3種のバクテリオシンについて抗菌スペクトルと分子構造を解析した。その結果、2種は既知であったが、1種は新規のバクテリオシンであり、enterocin ITと命名した。この乳酸菌を飼料イネやチモシー・オーチャードグラス混播牧草に添加してサイレージ調製することにより、無添加サイレージと比較して乳酸菌が旺盛に増殖し、大腸菌や糸状菌の増殖を抑制し、サイレージの発酵品質が改善されることを明らかにした。2)コントラクターでの実測値をもとに未ラップロールベールの運搬作業について、コンテナや運搬車の種類や台数など運搬作業体系に応じて能率及びコストを試算できるモデルを構築した。また、フォークリフトによりロールベールを吊り上げできる簡易荷役具を開発した。本荷役具により、広域流通に伴う荷役作業を効率化でき、荷役中にロールベールに生じる変形が極めて少ないため、サイレージ品質劣化リスクの低減及びロールベールの流通活性化が図られる。3)発酵TMRに混合する国産でん粉質飼料として有望な飼料用米について、品種(9品種)、加工法(7処理)の違いがでん粉質の第一胃内分解特性に及ぼす影響を調査した。その結果、飼料用米のでん粉質の第一胃内有効分解率は品種により異なること、でん粉質を最大限に利用するためには蒸気圧ぺん処理により最も分解率が大きくなることを示した。また、泌乳前期牛向け発酵TMR中のたんぱく質源として大豆粕を用いた場合、圧ぺんとうもろこし代替として圧ぺん玄米を給与すると、採食量や乳生産には差はないが、窒素利用効率は向上することを示した。稲発酵粗飼料の配合割合を29%、トウモロコシサイレージを17%、濃厚飼料を54%とした発酵TMRは、発酵品質が良好で、TDN含量が72%であり、泌乳中後期牛向けの飼料として十分利用可能であることを示した。 |
カテゴリ | 加工 コスト コントラクター 飼料用米 大豆粕 とうもろこし トウモロコシサイレージ 品種 |