h.効率的・持続的な乳肉生産技術開発のための家畜の栄養素配分調節機構の解明

課題名 h.効率的・持続的な乳肉生産技術開発のための家畜の栄養素配分調節機構の解明
課題番号 2009013857
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 (独)農業・食品産業技術総合研究機構,畜草研,栄養素代謝研究チーム
協力分担関係 千葉県畜産総合研究センター
愛知県農業総合試験場
石川県畜産総合センター
茨城県畜産センター
神奈川県畜産技術センター
富山県農業技術センター
広島大学大学院
北海道立根釧農業試験場
研究期間 2006-2010
年度 2009
摘要 1)粗飼料多給時におけるエネルギー要求量を確定するため、品種、熟期及び収穫機械の異なる10種類の稲発酵粗飼料について、消化管及び全身におけるエネルギーの動態を調べた。19年度からの3年間で延べ45頭の乾乳牛を用いて行った消化試験、呼吸試験並びに咀嚼時間測定の結果から、稲発酵粗飼料は、可消化養分総量が51±3%、粗飼料価指数が76±11分/kg乾物 で、国内で使用されている代表的輸入粗飼料であるチモシー乾草とほぼ同等の栄養価を持つことを明らかにした。これにより、稲発酵粗飼料を主体とした乳牛用飼料設計の精度が改善された。2)セロトニン神経系の活性変化が代謝調節ホルモンの分泌動態に及ぼす影響を明らかにするため、育成牛を用いてセロトニン前駆物質であるトリプトファン投与を行った。その結果、末梢血中へのトリプトファン投与は第三脳室内脳脊髄液中のセロトニン濃度を上昇させるとともに、成長ホルモンの分泌増加をもたらすことを明らかにした。一方、下垂体培養細胞へのトリプトファン添加では成長ホルモン放出量に変化が認められなかったことから、トリプトファンによる成長ホルモン分泌促進作用が、脳内セロトニン神経系の活性化によるものである可能性が高いことを明らかにした。また、トリプトファン投与が、セロトニンを前駆物質として松果体において合成される抗酸化ホルモンであるメラトニンの分泌を亢進させることを明らかにした。3)ウシ乳腺上皮細胞における栄養素取り込み機構を明らかにするため、アミノ酸及び脂肪酸の細胞内取り込みに関わる複数の輸送体の発現の変動を検討した。催乳性ホルモンによる刺激に加え、乳腺胞形成の誘導を同時に行うことにより、特定の輸送体の発現が著しく上昇することを明らかにした。この結果から、乳合成に伴う栄養素の細胞内取り込み機構には、ある特定の輸送体が選択的に作用し、その制御機構に乳腺胞の形成が深く関与している可能性を示した。4)免疫調節物質であるラクトフェリンの投与が、内分泌系への免疫情報伝達因子であるサイトカインの発現動態に及ぼす影響を明らかにするため、市販のラクトフェリンを経口投与した哺乳子牛の白血球中及び組織中サイトカイン発現量を調べた。その結果より、白血球中のサイトカインでは、免疫細胞への生理活性を有するIL-2の発現量がラクトフェリンによって顕著に上昇することを明らかにした。白血球数や血漿中サイトカイン濃度の変化と併せると、IL-2によって細胞増殖活性や細胞性免疫機能が向上していることから、内因性IL-2が子牛の生体機能向上におけるキーサイトカインであると推察した。
カテゴリ 収穫機 飼料設計 乳牛 品種 輸送

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