| 課題名 | ④ 家畜ゲノム育種研究基盤の高度化 |
|---|---|
| 課題番号 | 2012020456 |
| 研究機関名 |
農業生物資源研究所 |
| 研究分担 |
美川 智 小島 美咲 後藤 英夫 須藤 淳一 上西 博英 春海 隆 渡部 聡 小川 智子 谷口 雅章 荒川 愛作 |
| 協力分担関係 |
(社)農林水産・食品産業技術振興協会 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 国立大学法人東北大学 全農畜産サービス(株) (独)家畜改良センター 宮崎県畜産試験場 静岡県畜産技術研究所 千葉県畜産総合研究センター 徳島県立農林水産総合技術支援センター 岐阜県畜産研究所 |
| 研究期間 | -4 |
| 年度 | 2012 |
| 摘要 | 1.完全長cDNAライブラリーに由来するブタ発現遺伝子配列を用いて、ブタ遺伝子の機能分類と、染色体上へのマッピングを行った。ブタゲノムの約90%をカバーしている最新版の塩基配列(Sscrofa10.2)上において、これまでに我々が解読したブタcDNA配列が13,894箇所にマッピングされることを明らかにした。このことは、これらのcDNA配列はブタゲノム全体では15,000個以上の遺伝子に対応していることを示している。これらのcDNA情報は、Sscrofa10.2上でおよそ25,000個と推定された遺伝子の半分以上の構造解明に貢献した。このゲノムアノテーションとそれをもとに解析されたブタの家畜化と遺伝子進化に関する論文がNature誌に掲載された。 2.ブタ免疫グロブリン重鎖定常領域について詳細解読およびハプロタイプ間比較を行った。発現解析からはIgG1 ~ 6の6つのサブクラスが示唆されていたが、ゲノム上では、IgG1 、IgG3、IgG5(×2)、IgG6(×2)が位置し、IgG2、IgG4が認められないハプロタイプや、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgG5(×2以上)が位置するハプロタイプなどの構造多型が明らかとなった。これらのIgGに加え、IgM、IgD、IgE、IgAをコードする領域の直前には組換えに必須な5塩基の繰り返し配列に富む2~3kbの領域があるが、それら繰り返し数と各断片の発現頻度に相関が認められた。これらの情報は、抗体の発現や機能に影響する遺伝的な要因を解明する手掛かりとなるものであり、今後のブタの抗病性研究の推進に有用なものとなる。 3.椎骨数遺伝子診断を用いた一般的な豚枝肉生産の生産農場での実証試験を行った。椎骨数遺伝子VRTNの遺伝子型を判定した人工授精用精液(wt/wt、wt/Q、Q/Q、wt:野生型、Q:増大型)を用いて、母豚(遺伝子型不明)に種付けを行い、各遺伝子型について100頭以上の枝肉を生産した。格付け成績はwt/wt型で上中物率が84%と他に比べて約10%低く、背脂肪の過大蓄積がその大きな要因であった。また肉質は、Q/Q型で筋肉内脂肪(サシ)が多く、やわらかかった。人工授精用精液の供給に遺伝子診断を用いることで枝肉成績および肉質の向上が期待される 。 4.雄繁殖低下症モデルマウス(B10.M系統)は、精子頭部形態異常(44.7%)と産子数低下を示す。C3H系統(2.2%)とのF2家系を用いたQTL解析により、第1染色体および第4染色体に精子頭部形態異常に関連する領域が認められ、さらにコンジェニックマウスの解析によりそれぞれ2.4cM(6.8Mb)、0.6cM (1.4Mb)にまで候補領域を絞り込んだ。これらの領域の遺伝子情報は、遺伝的および暑熱下などの環境に由来する家畜雄の繁殖障害についての研究推進に有用なものとなる。 5.中国系品種の梅山豚(M)の雄の血清中アンドロゲン(T)濃度は西洋系品種のランドレース(L)よりも3倍高い。MとLの交配により得られたF1雄のT濃度は、親品種の雌雄組み合わせによらずMと同レベルであり、T濃度の高発現形質は常染色体性に優性遺伝することが明らかとなった。アンドロゲンは脂質代謝や薬物代謝系酵素の発現に影響を及ぼすことを見出しているが、今回作成した雌雄F1個体を用いても検証された。アンドロゲンは繁殖性にも関与しており、今後T濃度の規定因子を明らかにすることにより、家畜改良技術への貢献が期待できる。 |
| カテゴリ | ゲノム育種 繁殖性改善 品種 豚 |