気候変動下における水稲の高温障害対策技術の開発

課題名 気候変動下における水稲の高温障害対策技術の開発
課題番号 2015027852
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
協力分担関係 新潟県農業総合研究所
九州大学
(有)横田農場
茨城県農業総合センター
(有)フクハラファーム
石川県農林総 合研究センター
(株)ビジョンテック
(株)ぶった農産
(株)AGL
滋賀県農業技術振 興センター
研究期間 2011-2015
年度 2015
摘要 水稲高温障害の広域解析に関しては、平成26年度開発した水稲の高温登熟障害回避、低温による登熟不良回避、収量性の3点を考慮した移植適期推定法を用いて、温暖化気候条件では移植適期が遅くなることを明らかにした。また、高温登熟障害リスク管理のために発育ステージ予測情報を提供するコンテンツを開発し、栽培管理支援システムに搭載した。
高温障害、収量変動のメカニズムの解明と安定多収栽培技術の開発に関しては、
a) 出穂後15日間の日最低気温が24.5℃を超えると基部未熟粒が10%を超えて落等する可能性が高くなるため、このような条件が気象 予測情報で予想された場合の葉色値を指標とする追肥診断技術「気象対応型追肥法」の骨格を示した。
b) 気象対応型追肥法の効果検証を2カ年、延べ23カ所で実施し、高温登熟年の追肥によって品質と収量は向上し、玄米タンパク含量は食味官能値を下げる閾値とされる6.8%を超えず、経営的にも4,500円/10aを超えるメリットがあることを示した。
c) 「北陸193号」の籾数と登熟に及ぼす日射量と出穂期窒素吸収量の関係解析をもとに、地域気象を考慮した目標収量を得るための籾数及び窒素吸収量レベルとその出穂期及び栽培地による変動の推定手法を構築した。さらに、「やまだわら」の多収と良品質を両立する籾数水準や整粒歩合を高めるための収穫時期を明らかにした。
d) 「北陸193号」の籾数は、出穂期窒素吸収量と出穂5~20日前の日射量と関係性が高く、登熟の良否が出穂後40日間の日射量から予 測できることから、c)の知見と組み合わせて、「北陸193号」の1)潜在収量、2)最大収量が得られる出穂日、3)収量900kg/10aに必要な出穂期地上部窒素吸収量を算出して、それぞれマップ化した。
e) 中干し期間の延長により、温室効果ガスであるメタンの発生を抑制しつつ耐倒伏性を高めることができ、追肥を早くかつ多めに与 えることで収量維持も可能であることを明らかにした。
作物モデルに連動させるための群落気象評価手法等の開発に関しては、出穂後20日間以内の夜間に蒸散強制力FTP(大気飽差×√風速 )15以上が6時間以上継続すると乳白粒歩合が高くなることを見出し、この条件が水稲品質低下をもたらす高温乾燥風の指標値とみな せると判断した。この知見をもとに、領域気象モデルWRFを用い、台風によって引き起こされたフェーンの品質被害リスクマップを作 成できることを示した。
カテゴリ 乾燥 気候変動対策 経営管理 高温対策 栽培技術 診断技術 水稲 多収栽培技術 良食味

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