麦類の加工工程における放射性セシウムの動態解析

タイトル 麦類の加工工程における放射性セシウムの動態解析
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所
研究期間 2011~2011
研究担当者 木村啓太郎
松倉 潮
川本伸一
萩原昌司
岡留博司
等々力節子
亀谷宏美
根井大介
発行年度 2011
要約 小麦と大麦試料それぞれ8点を用いて加工工程における放射性セシウムの動態解析を実施した。小麦におけるふすまの加工係数(玄麦に対するふすまの放射性セシウム濃度の比)の平均値は2.26、小麦粉の加工係数の平均値は0.29である。大麦における麦ぬかの加工係数の平均値は2.23、精麦の加工係数の平均値0.57である。
キーワード 麦類、麦ぬか・ふすま、製粉加工、放射性セシウム、加工係数
背景・ねらい 小麦から小麦粉、ふすま等への放射性セシウムの動態について、標準的な製粉機を用いた製粉における動態を調査する。また、大麦の精麦および麦ぬかにおける放射性セシウムの動態も調査する。
成果の内容・特徴
  1. 供試した玄麦は大麦および小麦共に8点である。大麦の精麦と麦ぬかは、全国精麦工業協同組合連合会が精麦加工を行った試料である。小麦の製粉に使用した製粉機は、図1に示すようなビューラーテストミルである。玄麦を本機で製粉すると1B、2B、3B、1M、2M、3M、小ぶすまと大ぶすまの計8画分が得られ、放射能測定に用いた小麦粉は1B、2B、3B、1M、2M、3M画分すべてを均質に混合したものである。ふすま(大ぶすまと小ぶすまの混合物)の放射能濃度は、大ぶすまと小ぶすまの重量割合および放射能濃度から算出している。
  2. ゲルマニウム半導体検出器により、2Lマリネリ容器を使用して精密放射能分析を行っている。いずれの玄麦、精麦、麦ぬか、小麦粉、大ぶすま、小ぶすまとも、放射性ヨウ素は検出下限未満である。
  3. 図2に示すように、小麦において、玄麦とふすま、玄麦と小麦粉の放射性セシウム濃度の間に高い正の相関関係があり、相関係数は、それぞれ、r=0.988、r=0.954である。大麦でも同様であり、玄麦と麦ぬか、玄麦と精麦の放射性セシウム濃度の間の相関係数は、それぞれ、r=0.975、r=0.935である。
  4. 小麦におけるふすまの加工係数(玄麦に対するふすまの放射性セシウム濃度の比)の平均値は2.26、小麦粉の加工係数の平均値は0.29である。大麦における麦ぬかの加工係数の平均値は2.23、精麦の加工係数の平均値0.57である。
成果の活用面・留意点
  1. 測定解析データを農林水産省行政部局に「大麦・小麦の放射性物質の動態解析報告書(小麦粉・ふすま、精麦・麦ぬかへの加工係数の算定)」として平成23年8月19日に提出している。
  2. 平成23年9月13日通知「平成23年産麦に由来するふすま及び麦ぬかの取扱いについて」本解析データおよびそのほかの試験結果を踏まえ、データのばらつきを考慮して、(23 消安第3224号、23 生産第4499号、23 水推第545号)に記載された麦のふすま・麦ぬかの加工係数「3」が設定された。
図表1 235763-1.jpg
図表2 235763-2.png
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nfri/2011/500a0_10_05.html
カテゴリ 大麦 加工 小麦

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