タイトル | 高圧加工果実コンポートの製造法 |
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担当機関 | (国)農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門 |
研究期間 | 2012~2020 |
研究担当者 |
山本和貴 中浦嘉子 鈴木忠宏 稲岡隆史 渡邊高志 山崎慎也 高橋佑汰 竹内正彦 大日方洋 三輪章志 有手友嗣 中村恵美 林美央 安原里美 上田恒一 小原涼太 新川猛 神谷仁 野口琢史 森川篤史 |
発行年度 | 2020 |
要約 | 脱気処理後に中高圧処理して調味液を果実に含浸し、中温殺菌することで、生の食感を感じさせる高品質のコンポートを製造し、通年供給可能とした。収穫期の限られた果実を加工し、デザートまたは生菓子等の原料として利用することができる。 |
キーワード | 果実 高圧 コンポート 高品質 冷蔵保存 通年供給 |
背景・ねらい | 収穫期の短い果実を収穫期外にも喫食できるようにするために、そして、高品質の国産果実を海外展開するためには、長期保存可能な果実加工品が不可欠である。従来法の熱加工では、食感劣化等の品質低下が問題となっている。 本研究では、「脱気中温中高圧加工法」(特許出願)を開発し、冷蔵での長期保存が可能で、生の食感を残した新規な高品質果実コンポートの製造を可能とする。 |
成果の内容・特徴 | 1.剥皮、除芯、切断等の前処理を施した果実(リンゴ、ナシ、カキ、モモ等)を、中温中高圧処理(100 MPa, 65°C, 30分間)により、高圧加工コンポートに加工することで、果実加工品の通年供給が可能になる。 2.冷蔵長期保存中の衛生を確保し、果肉褐変を抑制する目的で、ビタミンC等の褐変抑制剤を添加した低pH調味液を使用する。また、酸素透過性の低い高バリア性包装資材で密閉することにより、更に褐変抑制効果を高める。 3.各種高圧加工コンポートの15ヶ月間長期冷蔵保存試験結果で微生物不検出となったことから、1年間の賞味期限付与が可能である(表1)。 4.熱加工による既製品よりも価格は高くなるが、収穫期が限定された果実を、生に近い食感の新感覚果実加工品として通年供給可能できるので、新たな市場展開が期待できる。消費者にはデザートまたは地域特産品として、事業者には菓子用加工素材として訴求力がある(図1)。 |
成果の活用面・留意点 | 1.普及対象:果実加工事業者・果実利用加工品製造業者(洋菓子及び和菓子の製造業者) 2.普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:国内外全域 3.その他: 本成果に関する特許は出願済であり、既に実施許諾されている。高圧加工装置を用いての加工が不可欠であるため、果実の前処理(皮むき等)が可能な事業者と、前処理果実の加工事業者とが、消費者及び果実利用加工品製造業者による需要に鑑み、実施許諾により製造する。 対象果実の高圧加工コンポートへの加工適性については、個別に対応する。 |
図表1 | ![]() |
研究内容 | https://www.naro.go.jp/project/results/4th_laboratory/nfri/2020/20_034.html |
カテゴリ | 加工 加工適性 もも りんご |